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東北学生ボランティア交流会議

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12月6-7日、 東北学生ボランティア交流会議  同時開催 全国足湯ボランティア交流会 が開催されました。 UTVCからも4名が参加しました。 各大学におけるボランティア活動の紹介や、 足湯ボランティアに関する講演・講習会が行われました。 他大学の活動では、行政や大学周辺住民の方と協力したり、 学問を活かしたりと、様々な工夫がなされていて、 とても参考になりました。 そして、ボランティア参加・ 運営における悩みを相談し合う機会にも恵まれ、 学生同士で交流する機会の大切さを感じました。 そして、 「学生が被災地に関わり続けることの意味」や「復興に対しての学生の役割」を改めて考える機会に恵まれました。 地域の復興の「着火剤」となること、など印象深いお話をたくさんお聞きし、今後の活動に少しでもつなげていければと思いました。 今回の参加で得た「横のつながり」を、 今後ぜひ活かしていきたいと思います。 お世話になった皆様に、改めて感謝申し上げます。

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第4期A班(2014年11月8日~11月9日)】

福島駅東口の8番バス停に集合。14:30の相馬営業所行きバスに乗る。今晩お世話になる宿泊所に荷物を置いて1日目の活動場所である相馬市生涯学習会館へ向かう。東大生6人に対して20人程度の中学生が集まっていた。 簡単な自己紹介の後、各々机の間を歩き回って指導する。今回から導入された共通教材を早速解く子供、学校で配布された教材や市販のワークなどをこなす子供が半々くらいだった。初めは緊張のせいか話しかけても反応の薄い子供が多かったが、二度三度と話しかけるうち次第に口が解れていった。受験の近い三年生はやはり真面目に学習に取り組んでいて頼もしかった。 指導終了後、海沿いの温泉に入り中華料理を食べて宿泊所で就寝。 2日目はLVMH子ども・アートメゾンというお洒落な施設での活動。今日の中学生は10人弱で、一時間ごとにローテーションしつつほぼ一対一での指導となった。昨日に比べると生徒との距離が近く、お互いに普段の生活や将来の夢について話し合うなど有意義な交流ができた。初めは無口でも興味のある話題だと饒舌になる子が多いのが印象的だった。正午には活動を終了し、相馬駅前で解散。 ボランティアというのは一義的には被災地の方々のお役に立つためにすることだが、私にとっても今回の子供たちとの交流は楽しく、意義のあるものだった。宿泊所を管理してくださっている方、相馬市教育委員会、UTVCの皆様の細やかなサポートに感謝したい。 (教養学部・3年)

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第4期B班(2014年11月1日~11月2日)】

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寒さが厳しい11月1日、2日、土日を利用して陸前高田市の学習支援ボランティアに参加していきました。 ◆活動内容 活動は2日目の午前中から始まり、参加した東大生6人が陸前高田市内の3つの小中学校に別れて、学習支援を行いました。広田小学校では、午前中生徒が来なかったため、午後から高田第一中で活動している学生と合流しました。第一中学校では、午前中は生徒が来なかったため、11月1〜2日と高田一中のグラウンドで開催されていた「陸前高田産業まつり」のステージに立ち、「学びの部屋」を通じて東大から学習支援に来ていることを地域の人にアピールしました。また、「学びの部屋」の主催者の方ともお話ができ、貴重なお話を伺いました。午後は、合計で3人の高校生が来てくれました。米崎小学校では合計で4人の生徒が訪れました。現地の支援員さんのギターに合わせて生徒が歌を歌うなど、「学びの部屋」が学習の場としてだけでなく、憩いの場としての役割も果たしている様子でした。 「陸前高田産業まつり」のステージで活動をアピール ◆初めて被災地を訪れて 今回、初めて被災地を訪れるメンバーがほとんどで、仮設住宅の立ち並ぶ学校のグラウンドや、震災の爪痕の残る日常に衝撃を受けた人もいました。悲惨な状況を目にし、被災地の復興に何らかの手助けをしたいという気持ちや、機会があればまた支援に参加したいという感想が上がりました。また、以前に東北へボランティアに行ったことのあるメンバーも東京にいると忘れてしまいがちな東北の様子を目にして、継続して東北へ訪れていくことの大切さを実感しました。 ◆これからの「学びの部屋」について 訪れる生徒数が少なかったことで、ボランティアとして十分活動できなかったのではないかと考える人が多かったようです。学びの部屋の主催者の方から数年前と比較して、来る生徒の人数が減ってきているという話を伺い、ただ単に東大生が支援に行くのではなく、東大生がイベントを持参して生徒が来るきっかけにするのはどうかという意見があがりました。また、日曜日だけでなく土曜日も活動して、現地の人々とも交流できれば良いのではないか、学習支援をするという姿勢よりも見聞を広めるという姿勢で取り組むのが良いのではないか、などこれからの支援活動について考える様々な意見が上がりました。 歌をう

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第3期D班(2014年10月18日~10月19日)】

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東京も木枯らしが吹き始めたかという頃、寒がりのため内心びくびくしながら訪れた地、福島県相馬市。夜は予想通りの寒さに見舞われましたが、昼間の雲一つない晴天、そして共に過ごした熱意ある地元の中学生やじつに個性的な東大生メンバーのおかげか、心は常にぽかぽかした2日間を過ごすことができました。 10月の2回目の派遣とのことですが、私はこの学習支援ボランティアに初めて参加させてもらいました。しかも今回ご一緒するメンバーの方々とお会いするのも初めてで(注 前顔合わせに伺うことができなかった)、うまく溶け込めるか新幹線の中で緊張していました。しかしそれは杞憂で、今考えてみれば当然なのですが、自ら学習支援ボランティアに募集するだけあって、皆さんとてもフレンドリーだったのですぐ打ち解けることができて安心しました(ほっ)。福島駅からバスで山道をゆられること1時間半。関西弁のおしゃべりに懐かしさを感じながら目的地の相馬市に到着し、17時から活動が開始しました。 教室をまわりながら質問を受け付けていると、持参した課題に真剣なまなざしで臨む中学生、鉛筆が静止している中学生、机と見つめ合って素直におしゃべりできない中学生。「先生!教えてください!」と元気に声をかけてくる中学生、こちらが声をかけると「うーん、どうしよっ。じゃぁ質問します。」とやや控えめな中学生に、「大丈夫っす。」と答える強気な中学生。 みながみな、いろいろな個性をキラキラと輝かせていて、教えているこちらとしても非常に楽しく、20時までの3時間はあっという間でした。 銭湯へ行き、中華料理をたべながら関西談義を楽しみ、宿泊先に戻っておやつをたべながら談笑した夜。 そして2日目。 新築の木の香りが心地よい差し込む太陽光が特徴的な白い空間の中で、今度は椅子に座 ってマンツーマンで指導をしました。学校の中間テストを持ってきていた中学生に、問題の解説をし、僕らがいま大学で勉強していることや将来の夢についてお話ししました。将来の夢を聞いたとある中学生はとある私立大学の経済学部に進んで、地元の公務員になりたいとのこと。ばっちり東大の宣伝をしておきました(笑)。 今回、土曜日の部には30名程度、日曜日の部には10名程度の参加があり、職員の方によると徐々に参加人数が増えているとのことでした。これはこれ

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第3期B班(2014年9月23日~9月25日)】

スリーデイズプログラムは,陸前高田市にある拠点で,3日間(18:30〜20:30)中高生を対象として,学習支援活動を行う活動です。B班としては,8人参加しました。 通常の「学びの部屋」は,毎日あるいは週三回開かれ,塾講師や教員のOBの方が学習支援員として継続的なサポートを行っています。また,東京大学から定期的に,週末にも学生ボランティアが派遣されています。そうした定期的に行われる週末の活動では,お互いに打ち解けてきた頃に終了してしまい,あと少し時間があれば…ということもあるそうです。スリーデイズプログラムでは,3日間通して来てくれた生徒も多く,様々な話を深くすることができましたという声もありました。 3日間の活動の前には,同じプログラムに参加している早稲田大学の学生と一緒に,ミーティングを行いました。早稲田大学の学生とは学習支援活動の場所は違いましたが,ミーティングでは,お互いの前日の活動の情報交換をしたり,「勉強より話が多くなってしまうのは良いのか」といった疑問を一緒に考えたりしました。また,そこで考えた東京から来る大学生が与えられる価値は何かという問いは,非常に難しいものでした。 最終日のミーティングでは,震災から3年経って,「学びの部屋」はこれからどうあるべきかということを議論しました。三つの班に分かれて意見を出し合い,最後にそれぞれ具体的な案などを発表し,非常に活気のある雰囲気でした。 そして,私たちは,陸前高田市立第一中学校と陸前高田市立米崎小学校を担当しました。それぞれ4人ずつに分かれて,学習支援活動を行いました。 米崎小は,他の拠点に比べて高校生の割合がかなり多いという特徴があります。大学受験や専門学校の受験を控えた高校3年生もいます。推薦入試の志望動機書が中々まとまらない生徒に対して,志望動機の内容について添削・アドバイスをしたりしました。数学や英語といった教科に関しては,その内容についての質問に答えるだけでなく,英単語の覚え方や勉強で集中力を続かせる方法などを話したりしました。また,教室の雰囲気としては,しっかり勉強をやろうというよりは,むしろ皆で集まって話をするコミュニティで,その中で勉強も進めていく場という印象を持ちました。 高田第一中は,非常に真面目で勉強熱心な生徒が集まっていました。それぞれ,自分で決めたノルマ(宿題など)を終わらせる

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第3期A班(2014年9月16日~9月18日)】

“子どもたちに、なぜ勉強するべきか話してほしい。夢をもたせてほしい。” 岩手県陸前高田市で40年教師をしてきた、現地での指導担当員にこういわれた時、私は自分がなさけなく、はずかしく、悲しくなった。初日の説明でこう言われる前までは、ただ勉強を手伝えばいいだろうとくらいに思っていた。しかし、現地の人たちが私たちに求めていたのはそんな表面的なスキルではなかったのだ。 なぜ勉強するかなんて、良い大学にいく意味なんて、私自身もわかっていないのに。どうしたら教えられるっていうんだろう。 夢をもたせるなんて、とんでもない。自分の夢を現実にあわせて進路をねじまげてきた自分が、子どもに語れることなんてないのに。 始めはなさけなくて、逃げたくなった。それでも3日間、チームの仲間と自分について語ったり、生徒に対して無理やりにでも今の自分を語ることで、なんとか活動をまっとうすることができた。活動をする中で、自信のない自分をさらけ出すのが恥ずかしくて、その場をやりすごそうとする態度から、わずかながらも自分の長所を探し出し、自信を取り戻すように、変化していった。 まとめて最後に言えることは、この活動はすごくつらいこと。子どもに何か誇らしく教えるものではなくて、今の自分の人としての力量を嫌でも感じさせられる旅だということ。「学びの部屋」とは中学生にとっての学びだけではけっして無い。陳腐な結論になるが、そこはまぎれもなく私たち大学生にとっての「学びの部屋」だった。 (総合文化研究科・修士2年) =========== 「自分は何ができるのだろう?」「子供たちは何をしてほしいのだろう?」今回のボランティア中で、常に考え続けたことです。学習支援ボランティアにも、被災地ボランティアにも初めての参加でした。私の行った3says programは中学校で3日間学習支援を行う、という内容で、生徒8人と東大生4人に、現地の指導員の先生1人でした。ボランティアの最後には、この指導員さんに、「今まで来たボランティアの学生の中で、一番よくやってくれた。」とおっしゃっていただきましたが、それは、この指導員さんのおかげだったと思っています。私達は一日目にこの指導員さんが3days programで何を目指したいのか、熱く語っていただきました。「ただ勉強を教えるのではなく、将来について考

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第3期A班(2014年9月6日~7日)】

【活動内容】 中村第一中学校・中村第二中学校・向陽中学校・磯部中学校の生徒達がそれぞれの教材などを持ち寄って自主学習をする場で、質問に答え、またはアドバイスをすること 【感想】 「寺子屋」は現在の形式(会場で生徒たちが自習をしに来て、大学生がそれを補助するという形式)で定着しており、慣れている生徒たちもいる様子でした。 学習支援ですので当然のことかもしれませんが、勉強の内容についての質問や会話は比較的多かったものの、それ以外の雑談は少なかったように感じました。 自学自習で教材をサクサクすすめられる子供達もたくさんいたようなので、勉強に対する考え方を伝え、大学生活のことについて雑談できると大学生と中学生が交流する意義(=意欲向上や、進路選択について考える刺激になる)がもっと大きくなるだろうと感じました。そういった内容についても自分からより積極的に話を振れたらもっとよかったな、と思います。 相馬市教育委員会・星槎グループの方々には非常に親切にしていただいて、リラックスして活動できる環境を整えていただいたと感じました。 東京大学の学生でこれから学習支援ボランティアへの参加を検討している方には、自分のできることについてためらいを感じたり心配したりする必要はあまりない、と知っていただけたら良いなと思います。 星槎グループの尾崎さんに市中の状況を見せていただいたことや、教育委員会の方から福島県内での震災・復興についての認識と首都圏の認識のズレについて実情を教えていただいたことは、現状について理解を深める契機になりました。 尾崎さん、班のメンバーと一緒にお風呂に行ったり食事をしたりしたことは楽しい出来事でした。 (法学部・4年)

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第3期C班(2014年10月4日~5日)】

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 福島駅で新幹線を降りると、肌寒さに驚かされます。  最高気温が16度だとか。ちょうどぐんと冷え込んだ日にあたったためでもありますが、東北の厳しい気候を彷彿とさせる寒さでした。  今回は10月最初の派遣です。今回は土曜日の部は21人、日曜日の部は12人の生徒が参加してくれました。中間テストの時期(ある中学校に至っては、翌月曜日がテスト!)ということで、みな懸命に試験範囲のワークなどに取り組んでいました。 みな試験に向けて勉強に取り組んでいます  テスト前ということで、いつもほど子供たちと雑談したり、自己紹介で色々な話をしたりといった時間はとれませんでしたが、それでも休憩時間などを使って子供たちと交流を深めることができました。  実は筆者は、今回でもう4回目の参加になります。ある生徒からは「また来たんですね」とも言ってもらえました(良い意味であることを願っています笑)。参加回数を重ねて現地の教育委員会の方や生徒たちと少しずつ信頼関係を深めていくことの大切さを、足を運ぶ度に実感しています。  そのいっぽうで、活動の裾野を広げることも大切です。今回も多くの学生が初めての参加でした。初めての参加者には、初めてだからこそ持てる新鮮な視点があり、生徒たちも多様な東大生と触れ合うことでいっそう刺激を受けることができるはずです。それぞれ立場の違う参加者どうしがうまく支え合って活動を充実させて行けるよう、心がけていきたいです。 活動場所にて記念写真  ちなみに今回は活動の前後で希望者がそれぞれ観光の時間を設けました。現地の方のアドバイスもいただきつつ、福島や相馬の美味しい食事を堪能できました。学習支援活動ももちろんですが、こういったプラスアルファの活動も通じて、東北をより身近に感じることのできる学生が増えていけば良いなと思います。 福島駅そばの展望室から信夫山を眺める  ところで、活動中の天候は最後に少し雨に降られた程度で済みましたが、台風18号の接近により翌6日は市内の中学校がすべて休校となったそうです。中間テストも順延し、テストまでもう1日間が空くという予想外の事態に。  生徒たちが中間テストで実力を出し尽くせていることを、願っています。 (文学部・4年)

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第2期B班(2014年8月23日~8月24日)】

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私は、 8 月 23 ・ 24 日実施の陸前高田市学習支援ボランティアに参加しました。ここで、ボランティアの内容や感想等をお話させていただきたいと思います。 ●今回の活動の概要  私たちの班の構成は、大学院生 4 名、学部生 2 名の計 6 名で、陸前高田市立第一中学校、米崎小学校、広田小学校の 3 ヶ所に、それぞれ 2 名ずつ派遣されました。  自習に来られた生徒さんの数は、第一中学で 4 名、米崎で 3 名、広田では 0 名でした。 第一中学、米崎では、日曜日としては多くの生徒さんが参加され、それぞれ濃密な時間を過ごすことができました。 広田小学校では、今回は生徒さんは来られなかったようですが、派遣されたボランティア学生は、支援員の方に NPO の活動のお話を伺ったり、小学校付近の沿岸の状況を見学したりと、有意義な経験をすることができたようです。 ●米崎小学校での活動  私は、米崎小学校に派遣されました。開始から終了まで中 3 の生徒が 1 名、午前中に高 3 の生徒が 2 名、自習に来られました。  開始当初は、お互いに緊張する面もありましたが、積極的に話しかけることで徐々に打ち解けることができたように思います。 ●感想  今回感じたのは、自習に来られる生徒さんが求めるものは様々であるということです。学校の宿題でわからないところを教えて欲しい、大学受験の勉強を教えて欲しい、勉強というよりは大学のことや将来のことなど色々な話がしたい、など、今回の活動でも様々なニーズがあるように思いました。そのニーズを汲み取って、それぞれの生徒さんに適した接し方をすることが重要であり、また難しい点であると感じました。  また、震災から 3 年以上が経過し、被災された生徒さんが、進学、就職等、人生の次のステージに向かって着々と歩まれている様子が非常に印象的でした。  今回の活動で私が貢献できたことは僅かですが、多くのことを学ぶことができたと思います。引き続き自分に出来る限りの支援活動を行っていきたいと考えています。 (法科大学院・3年)

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第2期A班(2014年8月9日~8月10日)】

8月9、10日に岩手県陸前高田市内の小中学校にて中高生への学習支援活動を行いましたのでご報告いたします。 今回の活動場所である陸前高田市は東京から遠いため、初日は移動のみで具体的な活動は行いませんでした。夕方に遠野市の施設に到着し、班のメンバーとミーティング、食事、歓談などをして翌日の活動に備えました。今回のメンバーは工学部や法学部などさまざまな学部から来ており、学部間交流の良い機会になったようにも思います。 二日目は、早朝に施設を出発してバスで陸前高田市内に移動しました。今回は市内の高田第一中学校に3人が、広田小学校に2人が向かい、それぞれ「学びの部屋」という、生徒さんの自主学習をサポートする教室にお邪魔しそこで学習のお手伝いをしました。あいにくの雨天のため生徒さんは少なく、午前午後を通して高田第一中学校、広田小学校ともに2名のみの参加でした。夏休みということもあり、宿題のサポートがメインでしたが、勉強だけではなく将来の目標や大学生活のことなどについて生徒さんとお話しするなど、交流を深めることもできたように思います。 こういった学習支援活動は目に見える形で復興のお手伝いができる訳ではありません。しかし、塾や家庭教師といった学校外での学習支援システムが当たり前のように備わっている東京近郊とは異なり、まだ復興の最中でこういったシステムが十分に整っていない被災地においては、このような活動は微力ながらも被災された生徒さんの生活の質を高めるという意味で意義があるのだと思います。 活動を終えた後、海岸近くに出て津波により被災した地域を回りました。津波により破壊された家屋がそのままで残っていたり、震災後誰も立ち入らなくなって瓦礫が残ったまま草木が生えていたりする光景を目の当たりにし、心が痛むとともに震災から3年経った現在でも復興はまだまだ十分ではなく、今後私たちがお手伝いできることはいくらでもあるのだということを強く実感しました。 最後になりましたが、一日でも早く被災地の復興が成し遂げられ、被災された方々の笑顔が戻る日が来ることを心より願います。 (理学部・3年)

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第1期D班(2014年7月26日~7月27日)】

私たちD班は7/27(日)に陸前高田市の小中学校を訪れ、学習支援ボランティアの活動を行いました。その活動の体験をここに記します。 簡単に学習支援ボランティアについて説明します。学習支援ボランティアでは、陸前高田市の小中学校に東大生が伺い、勉強をしに来る中学生や高校生に勉強を教えるという活動をしています。今回は陸前高田市立第一中学校、米崎小学校、広田小学校の3ヶ所に班員が分かれて活動をしました。なお、章ごとに執筆者が異なりますので、ご注意ください。 ◎活動内容 私は陸前高田市立第一中学校に訪問しました。午前中は生徒が来なかったため、近くにある「みんなの家」(参考: http://rikuzentakataminnanoie.jimdo.com/ )を訪問し、被災された方から現在の復興の様子について伺いました。さらに、奇跡の一本松を見学しました。周辺では土地のかさ上げをするために山を削って土を移す作業が巨大な建設設備を用いて行われており、陸前高田の自然豊かな光景と対照的でした。 午後1時から生徒4名(中学生3名と高校生1名)が来ました。彼らは8月にアメリカを10日間訪問して現地の高校生と交流するプログラムに参加する生徒たちで、現地で行う自己紹介を兼ねた3分間のスピーチ原稿の添削をしました。どの生徒も各自伝えたい内容をしっかり持っていて最後の発表会では堂々とスピーチをしており、添削することで役に立てたというやりがいを感じました。 ◎活動に参加しようと思った動機 日本に留学してもうすぐ4年間が経ちます。2011年4月の震災後に日本に来た私は、東北の状況を自分の目で確かめたいという思いが絶えず持っていました。しかし、最初2年間は石川県の金沢に住んでいた私は円高に悩まされて経済的に苦労した時期を経験し、やっと日本で出会った友人のおかげで、奨学金をいただき、東京大学に入学することもできました。東京大学の東北に支援するボランティア活動を偶然に出会い、いつか恩返しをしたい、さらに東北の子供達の現状を知りたいという気持ちを持っていた私は、このボランティアに応募しました。 ◎参加した感想 広田小学校では残念ながら生徒は来ませんでしたが、その分、指導員の方とたくさんのお話ができました。指導員の方から直接、当地の震災時およびその後の状況をお聞きすることで

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第2期C班(2014年8月9日~10日)】

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私たちC班は、2014年8月9日と同月10日の2日間にわたり、福島県相馬市において、市内の中学生に向けた学習支援ボランティアを行ってきました。 活動内容は生徒が各自持参した教材に関して生徒のわからないところを私たち学生が教えるというもので、1日目は13名、2日目は8名の中学1~3年生が参加してくれました。特に今回は夏休み終了まで約2週間だったようで、夏休みの宿題をしている生徒が多いように見受けられました。C班は7名でしたので、いずれの日程の参加者にもほぼ一対一で対応することができ、コミュニケーションしやすく充実した学習支援を行える環境でした。 活動を終えて、もっとも印象に残ったのは相馬の子供たちの素直さでした。生徒たちは皆緊張した面持ちではありましたが、私たちの話をよく聞いてくれました。震災で被害を受け、辛い経験を経てきたであろう生徒たちのそのような素直さや時折見せる笑顔にどんな思いが込められているのだろうと思い返しています。 また、現地の職員の方が津波のあとを案内してくださり、震災後の相馬の状況を知ることができました。実際に現地に行ってみなければ、住宅と入り江の近さや海の黒々とした怖さ、真っ暗な家が立ち並ぶさみしさを知ることはできなかったと思います。 1日目の夜、学生同士で今回のボランティアに参加した理由やきっかけを話し合ったこともとても良い思い出です。 私は初めてこの学習支援ボランティアに参加しました。活動を終えて、生徒とのコミュニケーションの取り方や勉強の教え方など反省点も多々ありますが、相馬の中学生、職員の方々、そしてC班のメンバーに出会え、本当に参加してよかったと思います。 (法科大学院・2年)

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第2期B班(2014年7月19日~20日)】

7/19・20の2日間、福島県相馬市に現地の中学生を対象にした学習支援活動に行ってきました。活動自体は7/19夕方に相馬市生涯学習会館で、7/20午前中に相馬駅前に新しく建ったルイ・ビトン会館で行いました。 私が前回参加したのは昨年度3月でしたが、その際に会った子供たちも数名いて、懐かしい印象を受けました。今回は、夏休み開始直後の勉強会ということで、学校の宿題を持参している子供が多かったです。2日間、勉強のことはもちろん、学校や部活の話、夏休みの予定などの話題で、多くの子供たちと交流しました。また、県大会で部活の試合を控える子供たちもちらほらいました。子供たちは元気一杯で、一生懸命に話をしてくれる様子に、逆に私が元気をもらい、行って良かったと思える2日間でした。 今回の活動が子供たちの役に立ったかは分かりませんが、子供たちが健やかに育ってくれればと思います。また時間があれば、子供たちの様子を見に行きたいと強く思いました。貴重な機会をありがとうございました! (新領域創成科学研究科・博士3年)

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第2期A班(2014年7月5日~6日)】

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相馬市において私たちA班が行った学習支援活動について報告します。 常磐線が原発事故により福島県内で不通になっているため、東京からは主に福島駅から路線バスを利用することで相馬市へアクセスすることができます。福島駅〜相馬市の路線バスは原発事故後に相馬市の要請により開通したそうです。 初日は生涯学習会館という施設で中学生の自習活動のアシスタントをしました。30名ほどいた生徒の中には部活帰りで体操着のままという子も多くいたものの、それぞれが自分の持ってきた教材で熱心に勉強していました。わからない問題や勉強の仕方について東大生に質問する子もいれば、常に全力で集中して自分の勉強に取り組んでいる子もいました。休憩時間には自分の近況や趣味について話をしてくれる子もいて、3時間の自習時間の中でうまく一休みをして勉強に集中できる良い環境がありました。特に受験生の生徒たちとは将来に関する話題まで話を広げるなどし、彼ら彼女らにとって有意義な時間となったのであれば幸いです。 二日目は子どもアートメゾンという今年完成した新しい施設で活動しました。およそ10人の生徒が日曜の午前中から集中して勉強に取り組んでいた姿が印象的でした。前日の施設では生徒たちは長机で学習していましたが、この施設では正方形の4人がけのテーブルで学習する形式が取られていたため、東大生のボランティアメンバーがそれぞれのテーブルに一人か二人ついてアドバイスをしました。このため、生徒にとっても1対1もしくは1対2で東大生と向き合うこととなり、密度の濃い自習時間になったことだと思います。 すでに少し述べましたが、両日を通して強く心に残っていることは生徒がよく集中して勉強していたことです。土日という学校の授業が無く、部活にとことん励んだり家で遊んだりしていても良い時間帯に「寺子屋」活動に参加することで、中学生の内に勉強する習慣が身についてくれることが期待できるのではないかと思います。(もちろん、勉強の習慣付けは大事だというアドバイスはメンバー一同で伝えました)  二日間でお世話になった相馬市の教育委員会や関係者の方々からは生徒たちに対する熱意がよく伝わり、また、東大生ボランティアに対しても非常に親切な対応をしていただきました。我々としては生徒たちの役に立つにはどういったアドバイスをすることが有効か、とい

今年度最初の振り返りワークショップを開催しました!

先週末の7月5日(土)に、5~6月の福島県相馬市学習支援ボランティアの振り返りワークショップを開催しました。 これは、今年度から新しく開始した取り組みです。 昨年度までの学習支援ボランティアでは、班ごとの活動が独立していて、派遣された班の間での意見交流は、あまり活発に行われていないのが実情でした。 そこで、各班同士での経験の共有や意見の交換の場として、UTVC主催でこのワークショップを開催しました。 この種のワークショップは、今後、活動地域ごとに定期的に開催する予定でいます。 また、UTVCとしては、本ワークショップでの議論を活かして、活動の質の向上も目指しています。 第1回目となった今回は「次回参加者に伝えたいこと」を議論のテーマに設定しました。 参加者は5名でした。(B班:3名、C班:1名、D班:1名) まず、参加者にボランティアに行って感じたことを発表してもらい、それらを整理しながら、論点を絞り、次回参加者に伝えたいことは何なのか? 伝えるためには何をすべきなのか? ということを考えていきました。 最初に5名の参加者に発表してもらったことは、いずれも異なっていたのですが、それらを元に議論を進める過程で、「東大生が相馬に行くことに対して、相馬の子供たちはどう感じているのかを知りたい」、「相馬の子供たちに関する情報(学校名学年、受験事情)を把握して、活動を行いたい」 ということが背景にあることが分かりました。 報告書等で、参加者の感想自体は集まっているのですが、これらは、実際に顔を合わせての議論なくしては、見えてない部分であり、活動後に集まって議論することの重要性を痛感させられました。 また、子供たちの思いや子供たちを取り巻く環境を知ることは、現地でコーディネートして下さっている相馬市教育委員会と学生派遣の運営を行っているUTVCが、緊密に連携を取ることで可能となることであり、それらを参加者と共有することも、事前説明会を工夫することで、実現できることも話を進めることで見えてきました。 今回、こうした形でのワークショップは初めてでしたが、参加者の方々にも助けられ、有意義な時間を過ごすことができました。 相馬の子供たちにとっても、我々東大生にとっても意義のある活動になるよう、本ワークショップでの議論を糧に、UTVCとしてもできることを実行していきたいと思います。 今

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第1期C班(2014年6月14日~15日)】

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相馬市における学習支援活動では、たくさんの子供さんとの触れ合いがありましたが、一人一人が自身の目的意識を明確に持って勉学に取り組んでいるという印象を受けました。高等学校に入学してからの夢などを目を輝かせて語ってくれる子供さんも多く、そのような強い思いが勉強に励む動機となっているのだなあと感じたものでした。このような経験から、私たちボランティアの努めとしては、決して難解な机上の学問を教えるということだけではなくて、いかに彼らの勉強意欲を維持させていくかということも非常に重要なことであると思いました。このようなキャリア教育の一端を披露することで、彼らは勉強することの意義をより深く認識するでしょうし、そのような思いをしっかり持ったうえで勉強をすることは必ずや将来の夢に結実する者であると考えます。時に「東大生」に委縮してしまうお子さんもいましたが、自身の夢を強固なものとし、実現に向けて頑張る姿勢を付けられれば、次第に「東大生」を超える存在にも跳躍できるのだということは今後のボランティア活動でも伝えていくべきことなのではないかと感じました。 (班員一同)

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第1期B班(2014年6月21日~6月22日)】

今回は二人分書いていただきました。 =============== 私は6月22日、陸前高田市立第一中学校の「学びの部屋」において学習支援活動を行いました。その様子について、簡単ではありますが報告します。まず、学習支援活動そのものについて、次に被災地に赴いた感想を述べます。 まず、学習支援活動についてです。私が訪れた日は、ちょうど高校の試験明けだったようで、想像していたより来てくれる生徒さんの数は少なかったですが、常に最低でも一人は来ていたため、退屈するようなことはあまりありませんでした。活動の中で一番印象に残っているのは、生徒さんとの何気ない会話です。もちろん学習についての指導もしましたが、むしろ、部活のこと、受験のこと、最近思っていること、興味のあることなどについて話を聞く時間の方が長かったように思います。生徒さんにとって、「学びの部屋」は何気なく会話ができる場としても機能していました。 次に、被災地の現状を目の当たりにしたことについてです。よくメディアで目にする光景ではありましたが、仮説住宅が校庭には敷き詰められている様子は、やはり衝撃的でした。第一中学校に向かうまでの道中でも度々仮設住宅を目にし、まだ多くの方が避難者であり続けている現状を実感させられました。被災者の方々が住むことになる公営住宅の建設作業は、まだ整地が終わったぐらいで、まだまだ完成には時間がかかりそうでした。支援員さんの話によれば、陸前高田は復興が遅れている方だということでしたが、多少の差はあれ、他の自治体も似たような状況なのだろうと思います。 このような現状を伝えると、数人の生徒に対する学習支援に意味があるのか、と思うかもしれません。しかし、すべきことが何か考える時間があれば、とりあえず行ってみて、小さなことからはじめるべきだと私は思います。私自身も、今まで何をすべきか考えるだけで、結局は何もできていませんでした。実際に行ってみることで改めて思う点はありましたし、既に述べたように「学びの部屋」は生徒にとって重要な場として機能していることから考えても、この活動には十分な意義があると思います。 この他にも、支援員さんとの話など報告したい点はまだまだありますが、紙幅の都合上これ以上は書きません。「百聞は一見に如かず」という言葉があるように、これ以上のことが気になる方で被災地にまだ行った

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第1期A班(2014年6月7日~6月8日)】

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今回私たちA班は、陸前高田市内の3つの小中学校に分かれて活動しました。陸前高田市立第一中学校では、朝は少なかったのですが、昼前あたりから徐々に生徒さんが増え始め、全部で20人以上の生徒さんが来ました。個別学習室では高校一年生が中心で、わりとみんなでおしゃべりをしながら自習するというスタイルで、図書室では受験を控えた高校三年生が中心で、静かに自習をするというスタイルでした。広田小学校では、午前中は中学3年生の男の子1人、午後はテスト期間が近いとのことで、女の子が中三1人、高一2人、高二1人が来ました。午前中は数学、国語の問題を見て雑談、午後は数学、生物、古文などの科目の質問を受けました。勉強以外にも写真に興味がある子にカメラの使い方を教えたり、進路相談に乗ったりと、いろいろな話をしました。また、今後の学習や受験への意識付けになればと思い、問題の解き方のほかに、各教科の勉強方法や自分の進路選択の経験なども話すようにしました。近辺に大学がないために大学生という存在自体が珍しいらしく、生徒たちは大学での勉強や課外活動の話をとても面白そうに聞いてくれました。 宿泊施設の周辺はそれほど被害がなかったようでしたが、陸前高田市に向かうとその光景は一変しました。住宅の跡が延々と続く平地や、ところどころ積み上げられた瓦礫、小学校の校庭に並ぶ仮設住宅。学習支援中にも余震があり、いまだに震災の爪痕が色濃く感じられました。活動センターのある遠野市では移動中に人に会うことはあまりなく、地方における過疎化の現実を目の当たりにしました。震災からの復興がスムーズに進まない状況ではありますが、復興をさらに越えた先の、地方都市の開発や発展における長期的なビジョンが求められているように感じます。また学習支援活動を行う中で教育における都市部と地方の情報格差が存在すると感じ、教育機会が平等ではないという問題は発展途上国だけの問題ではなく日本自身の問題でもあるのだと気づかされました。そして、学習支援した高校生たちは仮設住宅に住み、不自由な生活を送りながらも必死に勉強し、何よりも将来について真剣に悩んでいる姿に感銘を受けました。生き生きとした彼らの姿に文字通り勇気付けられました。私たちがいかによい環境で過ごしているか、学習できているかを感じました。 今回の体験によって日本自身を知ることの大

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第1期D班(2014年6月28日~29日)】

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6月最後の派遣は悪天候の中となりました。相馬では幸いにも何度か強い雨に降られたのみですが、中通りでは警報も発令されていたようです。 さて、今回参加した東大生は、過去にも相馬でこの活動に参加した経験のある学生が3人と、今回が初めての参加の学生が4人です。筆者自身も3ヶ月ぶりの相馬となり、自分のことを覚えていてくれる子どもたちとも再会できました。 子供たちも昨年度から引き続き参加している子や、今年度から初めて参加する子など様々ですが、今年度ももう4回目ということで、みな慣れてきた様子でした。子どもたちの学力レベルは様々ですが、みな高い学習意欲を持って勉強しており、休憩時間になっても手を休めない子が散見されるほど。部活動の大会が本格化する時期のようでしたが、練習後に少し遅刻して来た子どもたちも懸命に机に向かっていました。(寺子屋の子どもたちは、部活動もとても頑張っている子が多いです!) 学習会(日曜日の部)の様子 昨年度と比べると、土曜日の部と日曜部の部に分けて開催するようになったことで、それぞれを小規模な会としてより個々の子どもと密に接することができたように思います。ボランティア事業としても、個人の経験としても、長く継続することで信頼関係を築いたり新しい視点を発見したりしていくことが大切なんだな、と改めて実感しました。今後も学生や子どもたちの意見を取り入れながら、さらにより良い学習会になっていけば良いなと思います。 参加学生7名、活動場所にて 今回も参加学生7名も、教養課程生から大学院生まで、学年・所属・出身は様々です。宿泊所やバス車内で、それぞれのボランティアに関する思いから、出身地や専門分野、趣味などの話題まで、大いに盛り上がり、活動後の時間で市内観光なども楽しみました。 参加学生どうしの交流も、この活動の醍醐味のひとつです。 (文学部・4年)

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第1期B班(2014年5月31日~6月1日)】

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1日目は相馬市生涯学習会館で、28人の中学生に対して疑問点やつまずきを少しずつ教えて廻る形で活動しました。生徒達は初めこそ緊張していたものの、東大生が話しかけると返答や質問など素直に応じてくれたのが印象深かったです。2日目はLVMHアートメゾンで、10人の中学生に対して1対1の形で勉強を見ました。基本的に全員席に座って活動していたため、1日目に比べて生徒達の進捗状況を把握しやすく、また陽の光に溢れた明るい施設だったこともあり、終始和やかに進んでいきました。両日とも市内の中学校から1~3年生が集まり、それぞれ宿題や自主学習を進めていましたが、3年生の多くは近く実施される実力テストに向けて1・2年次の学習内容の復習に勤しんでいました。 私達は、席を立ったり大声で騒いだりすることなく全員が3時間集中して勉強に取り組んだり、部活や練習試合で疲れているはずなのに遅れてまでも参加したりする相馬市の中学生の姿に驚き、感心しきりでいました。しかしその一方で、教育委員会の方のお話にもありましたが、恥ずかしがって自ら東大生に話しかけることをあまりしない消極的な部分も感じとりました。筆者自身相馬市の出身で、昨年は教育実習で相馬市の高校を訪れましたが、その際に「相馬市で育った子ども達は基本的に内向きでおっとりしているため、目の前に流れていく情報に対して受け身の姿勢になってしまい、自分に必要な情報を掴もうとする力が大きく欠如している」という意見を指導教官から頂きました。また、ゆったりとした風土の相馬市は昔から情報が入りにくい特性を持っているため、子ども達はなおさら積極的に外の世界から情報を得ていく必要があると思います。震災が起きてこの問題がより顕在化した今、そのような力をどう子ども達に身につけさせていくのかが、今後の相馬市の教育をより良いものにしていく鍵なのではないかと思います。その点東大生と交流できるこのボランティアは、子ども達が教育を通して外の世界から情報や刺激を得られる貴重な機会であり、学習面だけでなく子ども達にとってより深い部分においても、大きくプラスに働くのではないかと思います。(今後このボランティアに参加する東大生の皆さんにこの点を留意していただきたいと思い、 記しました。) 最後に、支援活動の時間以外でも、教育委員会の方や宿泊場所「さくらビル」の管理人の

五月祭講演会「復興支援とまちづくり」開催しました

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 ご報告が遅れましたが、去る5月17日(土)、第87回東京大学五月祭において、東京大学法学部准教授・米村滋人先生講演会「復興支援とまちづくり」を開催しました。約40名の方にお越しいただき、盛会のうちに終えることができました。 米村滋人先生(東京大学法学部准教授・医師) 第1部:米村先生ご講演  第1部では米村先生にご講演いただき、「東北の被災状況と現在」「震災ボランティア活動の概要「大学のかかわり方・学生のかかわり方」という3つの柱にそった、たいへん興味深いお話を伺うことができました。 第1部の様子  震災から3年以上が経ちましたが、まだ被災地の復興は途上であり、ボランティアは必要とされ続けています。一方で、必要とされているボランティアの「質」が変化しており、多人数・単発型で行う匿名の支援から、少人数が継続して同じ地域に足を運ぶ顔の見える支援が中心となりつつあります。  そうしたなかで、学生はその時間的余裕や機動力を活かし、ボランティアにおいて重要な役割を担う可能性を秘めています。一方で、入れ替わりが激しく、活動の質にばらつきが大きい学生の活動には課題も多くあります。大学は、社会との結節点としてのボランティア活動に積極的に取り組み、学生の活動をサポートする枠組みを作る必要があるといるでしょう。  米村先生は、東北大学在任中に「東北大学ボランティア支援室」の設置に尽力され、その運営にあたられてきました。講演では、東北大学ボランティア支援室の学生スタッフとして活動された保坂龍彦 (ほさか・たつひこ=東北大学医学部3年) さんからの発表も交え、その歩みをご紹介いただきました。 第2部:東北大学・東京大学の取り組み  第2部では東北大学・東京大学の学生がそれぞれ登壇し、大学におけるボランティア活動の取り組みと、参加する学生の意識などについてそれぞれ発表の後、相互に意見交換を行いました。会場の方からもご意見やご質問をいただき、予定時間を20分ほども超える白熱した議論が交わされました。 第2部の様子 (壇上左から冨田、佐藤、石井さん、小林さん)   東北大学からは、東日本大震災ボランティア支援室の学生スタッフ・石井雄太郎 (いしい・ゆうたろう=東北大学法学部2年) さんから、東日本大震災ボランティア支援室

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第1期A班(2014年5月17日~18日)】

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1日目は、相馬市生涯学習支援会館にて約3時間、学習支援活動を行いました。中学1年生から3年生まで約20人の生徒が集まりました。はじめは東大生側も生徒側も少し緊張していましたが、時間が経つにつれて打ち解けられたように思います。教育委員会の方は東北の子ども達は恥ずかしがり屋が多く、なかなか自分の言いたいことを発言できない子が多いとおっしゃっていましたが、慣れてきて緊張がほぐれてくれば積極的に質問してくる子も多かったので、生徒達が質問しやすくなるように東大生側から積極的に話しかけてあげるといいと思いました。部活後で疲れている子も多かったですが、みんな一生懸命勉強に取り組んでいました。短い時間でしたが、自分達が来たことで生徒達に少しでも良い影響を与えられていたらうれしく思います。 2日目はルイ=ヴィトン・グループの寄付によって設立されたLVMH子どもアートメゾンにて活動しました。LVMHアートメゾンは全面ガラス張りの近代的なドーム状の建物で、内装は天然素材の机や椅子などシンプルでありながら洗練されており、開放的な雰囲気の中で学習指導を行うことができました。7人のボランティアに対し集まった中学生は8人で、1日目よりも1人の生徒と密に接することができました。教育委員会の方もおっしゃっていたように、私が今まで接してきた他の地方の中学生たちと比べて、相馬の中学生たちは表情の変化や口数が少ないという印象を受けました。ただ学習に対する姿勢は真面目で、ほとんどの子が熱心に説明を聞いてくれました。生徒数が少なかったため、分からない問題の答えをすぐ教えるのではなく一緒に考える、解き方を考えさせる、ということを意識して、1人の生徒に対して時間をかけて指導するようにしました。 (工学系研究科・博士2年)

五月祭講演会続報:ポスター完成しました!

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米村滋人先生講演会『復興支援とまちづくり』 先日からお知らせしておりました、五月祭での講演会について詳細が決まり、ポスターが完成しました! 米村先生がご担当される授業などで配布するほか、学内各所の掲示板にも掲示予定です。ぜひお手に取ってみてください。 いよいよ五月祭まであと1週間。こちらでも、改めて企画の詳細をお伝えしておきます。 とき: 2014年5月17日(土)[14:00開場]14:30〜16:30 ところ: 東京大学本郷キャンパス教育学部棟156教室 (赤門から入って左方の建物1階・定員約100名) http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_09_01_j.html (キャンパス地図) 米村滋人先生(東京大学法学部准教授)は、東北大学在任中に東日本大震災を経験され、東北大学東日本大震災学生ボランティア支援室の開設にむけ尽力、その運営にあたってこられました。昨年10月に東京大学に赴任して以降、東京大学の学生に被災地ボランティアの重要性を説きながら、自らも頻繁に東北に足を運び続けていらっしゃいます。 東日本大震災から3年2ヶ月。被災地域では、がれきの処理や被災建築物の撤去は進んだものの、復興はなかなか進まない状況が続いています。このような中、ボランティアはもう必要ないのでしょうか。大学には、学生には、何ができるのでしょうか。この講演では、東北被災地域の3年間を振り返った上で、東北大学ボランティア支援室と複数の学生ボランティア団体の取り組みを紹介し、復興への課題とボランティアの役割について考えます。(米村滋人) 今回は、米村先生に加え、現地で活動している東北大学学生の方もゲストにお招きします。震災から3年以上が経過したいま、改めて被災地の姿や、その課題について知る貴重なきっかけとしてもらえれば、と思います。 五月祭公式ウェブサイトの企画紹介もぜひご覧ください。 http://www.a103.net/may/87/visitor/kikaku/search/kikaku/?id=659 みなさまのご来場をお待ちしています!

UT-VCメンバー募集のお知らせ

「東京大学学習支援ボランティア」を運営する学生団体UT-VC(東京大学復興ボランティア会議)では、新たなメンバーを募集しています。少しでも興味を持たれた方はぜひ  utvc.student@gmail.com  までご連絡ください。お待ちしています! 1. 「学習支援ボランティア」とは?  2011年3月の東日本大震災以降、東京大学ではさまざまな被災地支援の取り組みが行われてきました。その中で、東京大学だからこそできる支援の形とは、という模索を経て、被災地の子どもたちの教育支援というニーズを受けた 学習支援ボランティア活動 が始まりました。  これは、被災地の子供に勉強の場を提供することと、そこで子供たちと一緒に時間を過ごし、話し相手となることを目的とするものです。この活動は2011年の12月から始まり、これまで、岩手県 陸前高田市 、福島県 相馬市 、福島県 大熊町 の3地域を対象にのべ400人以上を派遣してきました。 2. 学生団体UT-VC(東京大学復興ボランティア会議)とは?  学習支援ボランティア活動の有志によって昨(2013)年の6月に設立された学生団体です。参加者の立場からこの活動をより充実させるため、参加者の立場からの意見を集約して発信したり、独自の広報活動を行ったりしてきました。定期的なボランティア参加者どうしの懇親会も開催しています。  そして今年度の4月からは、東京大学のボランティア支援班事務局に代わり、参加者の募集・事前説明会・事後報告会の開催などといった学習支援ボランティアの運営を学生自ら担当するようになりました。現地で実際に活動にあたった学生の経験や意見を反映させ、学習支援ボランティアをより充実したものにできるよう、活動していきます。  その他、被災地の中学生が修学旅行で東京を訪れる際に東大案内ツアーを行ったり、学園祭では毎回、被災地支援に取り組んでおられる本学の先生による講演会を行っています(2013年駒場祭:経済学部松井彰彦先生/2014年五月祭:法学部米村滋人先生)。これまでの活動で得た東北の方々とのつながりを活かし、東大生を被災地に派遣するスタディツアーなど、被災地に関わる新たな取り組みも始めて行きたいと考えています。 3. どんなことをしているの?  活動となるのが月に1回のミーティン

被災地スタディツアー参加体験談

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UT-VCメンバーが東北大学主催のスタディツアーに参加し福島県を訪れたので、そのときの体験談を掲載いたします。 =================== 4/26(土)、4/27(日)と東北大学主催の福島ツアーに参加してきました。 26日。 午後からの活動に合流しました。 午前は移動保育。 放射線量の高い地域では子供が遊べないので、線量の低いところで子供を遊ばせる活動のお手伝いを行ったようです {*1} 。 午後は、郡山市内の「富岡町おだがさまセンター」で、福島県富岡町から避難されている現地の人のお話を聞きました。 現地の人の話の前に、東北大学の先生が一言。 「震災時、中学3年生で卒業した人が、ちょうど今大学1年生で、今日も数名来ています…」 まず、この言葉に衝撃を受けました。 震災から3年が経過している訳なんですが、この3年という時の長さ、重みを感じました。 小学生が高校生になり、中学生は大学生になる。 3年というのはそういう時間なんですよね。 現地の人からは、富岡町から河内村へ、河内村から郡山市のビックパレットへ、という避難の様子、それから、ビックパレットでの避難所生活、そして、仮設住宅に移ってからと、今後のこと、を主にして話して頂きました。 ただ「逃げろ」という指令のもと、原子力発電所の事故のことは知らず、訳も分からず、最初河内村へ避難した話、郡山市のビックパレットにて、草むしり、ラジオ、足湯などを通して、避難所生活をされていた人たちに交流や笑いが出始めたときの話、そして、 1年目は「富岡に帰りたい」などの生理的欲求、 2年目は「みんなが幸せに」などの所属と愛の欲求、 3年目は「ハワイに行きたい」などの自己実現の欲求へと時間が経つごとに変化する町民の心理状況を、マズローの自己実現理論 {*2}   に照らし合わせての説明が印象的でした。 最後にお話をして頂いた方は、「帰りたいが、果たして帰れるのか?恐らく無理だろうと諦めてしまう気持ちもあります」とおっしゃっていました。 もう、言葉が出ませんでした。 何か役に立てることは無いのか?と思っても、どうしようもない現実がそこにある。 問題の奥深さを改めて実感させられました。 その後はバスで郡山市少年湖畔の村 {*3}  に移動し、宿泊しました。

講演会@五月祭のお知らせ

「『復興支援』と『まちづくり』」 東日本大震災から3年2ヶ月。 被災地域では、がれきの処理や被災建築物の撤去は進んだものの、復興はなかなか進まない状況が続いています。 このような中、ボランティアはもう必要ないのでしょうか。 大学には、学生には、何ができるのでしょうか。 この講演では、東北被災地域の3年間を振り返った上で、東北大学ボランティア支援室と複数の学生ボランティア団体の取り組みを紹介し、復興への課題とボランティアの役割について考えます。 日時:5月17日(土) 14:30分~16:30 (14:00開場) 講演者:米村滋人(東大法学部准教授) 場所:東京大学本郷キャンパス 教育学部156教室 (  http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_09_01_j.html  ) 詳しくは五月祭公式ホームページをご覧ください。 http://www.a103.net/may/87/visitor/kikaku/search/kikaku/?id=659 また、Facebookページへの「いいね!」や「シェア」もお願いします! 投稿 by UT-VC .

振り返りワークショップ開催のご報告

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3月15日(土)、学習支援ボランティア活動の振り返りワークショップを開催しました! 初めての試みでしたが、議論は非常に盛り上がりあっという間に2時間が過ぎました。 これまでは「どうやってより良い支援にするか」に意識が集まりがちでしたが、「そもそも何のために支援するのか」という問題意識を参加者どうしで共有することも非常に重要です。 これからは、参加者どうしが事前に交流する機会を増やすことで、限られた時間での活動をより充実したものにできればと考えています。 UT-VCまもなく新年度、2年目を迎えます。4月からもより充実した活動を続けて行けるようがんばっていきます。 今後ともよろしくお願いします!

【活動体験記:学習支援ボランティア@陸前高田市】

私達の班は2月18日から21日にかけて活動しました。8人の メンバー+早稲田大の学生達を高田一中・横田中・米崎小・広田小 に振り分けて派遣し、私のグループは横田中で三日間活動しました 。横田の子どもたちは非常に真面目で礼儀正しく学習意欲の高い子 ばかりでした。 初日の活動が終わった後の振り返りで、「ボランティアとして、 自分達に何が求められているのか」が課題として挙げられました。 「将来のことを話し合えるお兄さんお姉さん」なのか、「勉強を教 えてくれる人」なのか、「大学について教えてくれる学生」なのか 。私達の間では、生徒と学生、両者の距離が遠すぎるため、上手く ニーズを汲み取れないでいるのだという結論に至り、二日目以降は 勉強以外の雑談を意識的にすることを心がけました。両者の距離が 近くなると、生徒の側から質問してくれたり話しかけてくれたりす ることが 増え、教室にも活気が出てきました。被災地の学校の現状やボラン ティアの存在意義などについて頭で深く考えすぎるより、まず現場 での関係構築から始めることが重要なのだと感じました。 プログラムを終えて、改めて学ぶことの尊さ、有難さを実感する とともに、被災地における学びやそれに対する取り組みに対しても っと社会的にスポットが当てられるべきではないかと考えるように なりました。復興が滞り、集中して勉強することが難しい今の状況 でも、受験など学校教育のシステムは彼らを待ってくれません。学 習する権利が十分保障されているとは言い難い状況です。私は学生 としては最後の参加になってしまいましたが、今後も様々なアプロ ーチで被災地の教育に視線を向け続けられればと思っています。 (教育学部・4年)