投稿

7月, 2014の投稿を表示しています

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第2期A班(2014年7月5日~6日)】

イメージ
相馬市において私たちA班が行った学習支援活動について報告します。 常磐線が原発事故により福島県内で不通になっているため、東京からは主に福島駅から路線バスを利用することで相馬市へアクセスすることができます。福島駅〜相馬市の路線バスは原発事故後に相馬市の要請により開通したそうです。 初日は生涯学習会館という施設で中学生の自習活動のアシスタントをしました。30名ほどいた生徒の中には部活帰りで体操着のままという子も多くいたものの、それぞれが自分の持ってきた教材で熱心に勉強していました。わからない問題や勉強の仕方について東大生に質問する子もいれば、常に全力で集中して自分の勉強に取り組んでいる子もいました。休憩時間には自分の近況や趣味について話をしてくれる子もいて、3時間の自習時間の中でうまく一休みをして勉強に集中できる良い環境がありました。特に受験生の生徒たちとは将来に関する話題まで話を広げるなどし、彼ら彼女らにとって有意義な時間となったのであれば幸いです。 二日目は子どもアートメゾンという今年完成した新しい施設で活動しました。およそ10人の生徒が日曜の午前中から集中して勉強に取り組んでいた姿が印象的でした。前日の施設では生徒たちは長机で学習していましたが、この施設では正方形の4人がけのテーブルで学習する形式が取られていたため、東大生のボランティアメンバーがそれぞれのテーブルに一人か二人ついてアドバイスをしました。このため、生徒にとっても1対1もしくは1対2で東大生と向き合うこととなり、密度の濃い自習時間になったことだと思います。 すでに少し述べましたが、両日を通して強く心に残っていることは生徒がよく集中して勉強していたことです。土日という学校の授業が無く、部活にとことん励んだり家で遊んだりしていても良い時間帯に「寺子屋」活動に参加することで、中学生の内に勉強する習慣が身についてくれることが期待できるのではないかと思います。(もちろん、勉強の習慣付けは大事だというアドバイスはメンバー一同で伝えました)  二日間でお世話になった相馬市の教育委員会や関係者の方々からは生徒たちに対する熱意がよく伝わり、また、東大生ボランティアに対しても非常に親切な対応をしていただきました。我々としては生徒たちの役に立つにはどういったアドバイスをすることが有効か、とい

今年度最初の振り返りワークショップを開催しました!

先週末の7月5日(土)に、5~6月の福島県相馬市学習支援ボランティアの振り返りワークショップを開催しました。 これは、今年度から新しく開始した取り組みです。 昨年度までの学習支援ボランティアでは、班ごとの活動が独立していて、派遣された班の間での意見交流は、あまり活発に行われていないのが実情でした。 そこで、各班同士での経験の共有や意見の交換の場として、UTVC主催でこのワークショップを開催しました。 この種のワークショップは、今後、活動地域ごとに定期的に開催する予定でいます。 また、UTVCとしては、本ワークショップでの議論を活かして、活動の質の向上も目指しています。 第1回目となった今回は「次回参加者に伝えたいこと」を議論のテーマに設定しました。 参加者は5名でした。(B班:3名、C班:1名、D班:1名) まず、参加者にボランティアに行って感じたことを発表してもらい、それらを整理しながら、論点を絞り、次回参加者に伝えたいことは何なのか? 伝えるためには何をすべきなのか? ということを考えていきました。 最初に5名の参加者に発表してもらったことは、いずれも異なっていたのですが、それらを元に議論を進める過程で、「東大生が相馬に行くことに対して、相馬の子供たちはどう感じているのかを知りたい」、「相馬の子供たちに関する情報(学校名学年、受験事情)を把握して、活動を行いたい」 ということが背景にあることが分かりました。 報告書等で、参加者の感想自体は集まっているのですが、これらは、実際に顔を合わせての議論なくしては、見えてない部分であり、活動後に集まって議論することの重要性を痛感させられました。 また、子供たちの思いや子供たちを取り巻く環境を知ることは、現地でコーディネートして下さっている相馬市教育委員会と学生派遣の運営を行っているUTVCが、緊密に連携を取ることで可能となることであり、それらを参加者と共有することも、事前説明会を工夫することで、実現できることも話を進めることで見えてきました。 今回、こうした形でのワークショップは初めてでしたが、参加者の方々にも助けられ、有意義な時間を過ごすことができました。 相馬の子供たちにとっても、我々東大生にとっても意義のある活動になるよう、本ワークショップでの議論を糧に、UTVCとしてもできることを実行していきたいと思います。 今

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第1期C班(2014年6月14日~15日)】

イメージ
相馬市における学習支援活動では、たくさんの子供さんとの触れ合いがありましたが、一人一人が自身の目的意識を明確に持って勉学に取り組んでいるという印象を受けました。高等学校に入学してからの夢などを目を輝かせて語ってくれる子供さんも多く、そのような強い思いが勉強に励む動機となっているのだなあと感じたものでした。このような経験から、私たちボランティアの努めとしては、決して難解な机上の学問を教えるということだけではなくて、いかに彼らの勉強意欲を維持させていくかということも非常に重要なことであると思いました。このようなキャリア教育の一端を披露することで、彼らは勉強することの意義をより深く認識するでしょうし、そのような思いをしっかり持ったうえで勉強をすることは必ずや将来の夢に結実する者であると考えます。時に「東大生」に委縮してしまうお子さんもいましたが、自身の夢を強固なものとし、実現に向けて頑張る姿勢を付けられれば、次第に「東大生」を超える存在にも跳躍できるのだということは今後のボランティア活動でも伝えていくべきことなのではないかと感じました。 (班員一同)

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第1期B班(2014年6月21日~6月22日)】

今回は二人分書いていただきました。 =============== 私は6月22日、陸前高田市立第一中学校の「学びの部屋」において学習支援活動を行いました。その様子について、簡単ではありますが報告します。まず、学習支援活動そのものについて、次に被災地に赴いた感想を述べます。 まず、学習支援活動についてです。私が訪れた日は、ちょうど高校の試験明けだったようで、想像していたより来てくれる生徒さんの数は少なかったですが、常に最低でも一人は来ていたため、退屈するようなことはあまりありませんでした。活動の中で一番印象に残っているのは、生徒さんとの何気ない会話です。もちろん学習についての指導もしましたが、むしろ、部活のこと、受験のこと、最近思っていること、興味のあることなどについて話を聞く時間の方が長かったように思います。生徒さんにとって、「学びの部屋」は何気なく会話ができる場としても機能していました。 次に、被災地の現状を目の当たりにしたことについてです。よくメディアで目にする光景ではありましたが、仮説住宅が校庭には敷き詰められている様子は、やはり衝撃的でした。第一中学校に向かうまでの道中でも度々仮設住宅を目にし、まだ多くの方が避難者であり続けている現状を実感させられました。被災者の方々が住むことになる公営住宅の建設作業は、まだ整地が終わったぐらいで、まだまだ完成には時間がかかりそうでした。支援員さんの話によれば、陸前高田は復興が遅れている方だということでしたが、多少の差はあれ、他の自治体も似たような状況なのだろうと思います。 このような現状を伝えると、数人の生徒に対する学習支援に意味があるのか、と思うかもしれません。しかし、すべきことが何か考える時間があれば、とりあえず行ってみて、小さなことからはじめるべきだと私は思います。私自身も、今まで何をすべきか考えるだけで、結局は何もできていませんでした。実際に行ってみることで改めて思う点はありましたし、既に述べたように「学びの部屋」は生徒にとって重要な場として機能していることから考えても、この活動には十分な意義があると思います。 この他にも、支援員さんとの話など報告したい点はまだまだありますが、紙幅の都合上これ以上は書きません。「百聞は一見に如かず」という言葉があるように、これ以上のことが気になる方で被災地にまだ行った

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第1期A班(2014年6月7日~6月8日)】

イメージ
今回私たちA班は、陸前高田市内の3つの小中学校に分かれて活動しました。陸前高田市立第一中学校では、朝は少なかったのですが、昼前あたりから徐々に生徒さんが増え始め、全部で20人以上の生徒さんが来ました。個別学習室では高校一年生が中心で、わりとみんなでおしゃべりをしながら自習するというスタイルで、図書室では受験を控えた高校三年生が中心で、静かに自習をするというスタイルでした。広田小学校では、午前中は中学3年生の男の子1人、午後はテスト期間が近いとのことで、女の子が中三1人、高一2人、高二1人が来ました。午前中は数学、国語の問題を見て雑談、午後は数学、生物、古文などの科目の質問を受けました。勉強以外にも写真に興味がある子にカメラの使い方を教えたり、進路相談に乗ったりと、いろいろな話をしました。また、今後の学習や受験への意識付けになればと思い、問題の解き方のほかに、各教科の勉強方法や自分の進路選択の経験なども話すようにしました。近辺に大学がないために大学生という存在自体が珍しいらしく、生徒たちは大学での勉強や課外活動の話をとても面白そうに聞いてくれました。 宿泊施設の周辺はそれほど被害がなかったようでしたが、陸前高田市に向かうとその光景は一変しました。住宅の跡が延々と続く平地や、ところどころ積み上げられた瓦礫、小学校の校庭に並ぶ仮設住宅。学習支援中にも余震があり、いまだに震災の爪痕が色濃く感じられました。活動センターのある遠野市では移動中に人に会うことはあまりなく、地方における過疎化の現実を目の当たりにしました。震災からの復興がスムーズに進まない状況ではありますが、復興をさらに越えた先の、地方都市の開発や発展における長期的なビジョンが求められているように感じます。また学習支援活動を行う中で教育における都市部と地方の情報格差が存在すると感じ、教育機会が平等ではないという問題は発展途上国だけの問題ではなく日本自身の問題でもあるのだと気づかされました。そして、学習支援した高校生たちは仮設住宅に住み、不自由な生活を送りながらも必死に勉強し、何よりも将来について真剣に悩んでいる姿に感銘を受けました。生き生きとした彼らの姿に文字通り勇気付けられました。私たちがいかによい環境で過ごしているか、学習できているかを感じました。 今回の体験によって日本自身を知ることの大