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【活動体験記:相馬市「寺子屋」第3期D班(2014年10月18日~10月19日)】

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東京も木枯らしが吹き始めたかという頃、寒がりのため内心びくびくしながら訪れた地、福島県相馬市。夜は予想通りの寒さに見舞われましたが、昼間の雲一つない晴天、そして共に過ごした熱意ある地元の中学生やじつに個性的な東大生メンバーのおかげか、心は常にぽかぽかした2日間を過ごすことができました。 10月の2回目の派遣とのことですが、私はこの学習支援ボランティアに初めて参加させてもらいました。しかも今回ご一緒するメンバーの方々とお会いするのも初めてで(注 前顔合わせに伺うことができなかった)、うまく溶け込めるか新幹線の中で緊張していました。しかしそれは杞憂で、今考えてみれば当然なのですが、自ら学習支援ボランティアに募集するだけあって、皆さんとてもフレンドリーだったのですぐ打ち解けることができて安心しました(ほっ)。福島駅からバスで山道をゆられること1時間半。関西弁のおしゃべりに懐かしさを感じながら目的地の相馬市に到着し、17時から活動が開始しました。 教室をまわりながら質問を受け付けていると、持参した課題に真剣なまなざしで臨む中学生、鉛筆が静止している中学生、机と見つめ合って素直におしゃべりできない中学生。「先生!教えてください!」と元気に声をかけてくる中学生、こちらが声をかけると「うーん、どうしよっ。じゃぁ質問します。」とやや控えめな中学生に、「大丈夫っす。」と答える強気な中学生。 みながみな、いろいろな個性をキラキラと輝かせていて、教えているこちらとしても非常に楽しく、20時までの3時間はあっという間でした。 銭湯へ行き、中華料理をたべながら関西談義を楽しみ、宿泊先に戻っておやつをたべながら談笑した夜。 そして2日目。 新築の木の香りが心地よい差し込む太陽光が特徴的な白い空間の中で、今度は椅子に座 ってマンツーマンで指導をしました。学校の中間テストを持ってきていた中学生に、問題の解説をし、僕らがいま大学で勉強していることや将来の夢についてお話ししました。将来の夢を聞いたとある中学生はとある私立大学の経済学部に進んで、地元の公務員になりたいとのこと。ばっちり東大の宣伝をしておきました(笑)。 今回、土曜日の部には30名程度、日曜日の部には10名程度の参加があり、職員の方によると徐々に参加人数が増えているとのことでした。これはこれ

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第3期B班(2014年9月23日~9月25日)】

スリーデイズプログラムは,陸前高田市にある拠点で,3日間(18:30〜20:30)中高生を対象として,学習支援活動を行う活動です。B班としては,8人参加しました。 通常の「学びの部屋」は,毎日あるいは週三回開かれ,塾講師や教員のOBの方が学習支援員として継続的なサポートを行っています。また,東京大学から定期的に,週末にも学生ボランティアが派遣されています。そうした定期的に行われる週末の活動では,お互いに打ち解けてきた頃に終了してしまい,あと少し時間があれば…ということもあるそうです。スリーデイズプログラムでは,3日間通して来てくれた生徒も多く,様々な話を深くすることができましたという声もありました。 3日間の活動の前には,同じプログラムに参加している早稲田大学の学生と一緒に,ミーティングを行いました。早稲田大学の学生とは学習支援活動の場所は違いましたが,ミーティングでは,お互いの前日の活動の情報交換をしたり,「勉強より話が多くなってしまうのは良いのか」といった疑問を一緒に考えたりしました。また,そこで考えた東京から来る大学生が与えられる価値は何かという問いは,非常に難しいものでした。 最終日のミーティングでは,震災から3年経って,「学びの部屋」はこれからどうあるべきかということを議論しました。三つの班に分かれて意見を出し合い,最後にそれぞれ具体的な案などを発表し,非常に活気のある雰囲気でした。 そして,私たちは,陸前高田市立第一中学校と陸前高田市立米崎小学校を担当しました。それぞれ4人ずつに分かれて,学習支援活動を行いました。 米崎小は,他の拠点に比べて高校生の割合がかなり多いという特徴があります。大学受験や専門学校の受験を控えた高校3年生もいます。推薦入試の志望動機書が中々まとまらない生徒に対して,志望動機の内容について添削・アドバイスをしたりしました。数学や英語といった教科に関しては,その内容についての質問に答えるだけでなく,英単語の覚え方や勉強で集中力を続かせる方法などを話したりしました。また,教室の雰囲気としては,しっかり勉強をやろうというよりは,むしろ皆で集まって話をするコミュニティで,その中で勉強も進めていく場という印象を持ちました。 高田第一中は,非常に真面目で勉強熱心な生徒が集まっていました。それぞれ,自分で決めたノルマ(宿題など)を終わらせる

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第3期A班(2014年9月16日~9月18日)】

“子どもたちに、なぜ勉強するべきか話してほしい。夢をもたせてほしい。” 岩手県陸前高田市で40年教師をしてきた、現地での指導担当員にこういわれた時、私は自分がなさけなく、はずかしく、悲しくなった。初日の説明でこう言われる前までは、ただ勉強を手伝えばいいだろうとくらいに思っていた。しかし、現地の人たちが私たちに求めていたのはそんな表面的なスキルではなかったのだ。 なぜ勉強するかなんて、良い大学にいく意味なんて、私自身もわかっていないのに。どうしたら教えられるっていうんだろう。 夢をもたせるなんて、とんでもない。自分の夢を現実にあわせて進路をねじまげてきた自分が、子どもに語れることなんてないのに。 始めはなさけなくて、逃げたくなった。それでも3日間、チームの仲間と自分について語ったり、生徒に対して無理やりにでも今の自分を語ることで、なんとか活動をまっとうすることができた。活動をする中で、自信のない自分をさらけ出すのが恥ずかしくて、その場をやりすごそうとする態度から、わずかながらも自分の長所を探し出し、自信を取り戻すように、変化していった。 まとめて最後に言えることは、この活動はすごくつらいこと。子どもに何か誇らしく教えるものではなくて、今の自分の人としての力量を嫌でも感じさせられる旅だということ。「学びの部屋」とは中学生にとっての学びだけではけっして無い。陳腐な結論になるが、そこはまぎれもなく私たち大学生にとっての「学びの部屋」だった。 (総合文化研究科・修士2年) =========== 「自分は何ができるのだろう?」「子供たちは何をしてほしいのだろう?」今回のボランティア中で、常に考え続けたことです。学習支援ボランティアにも、被災地ボランティアにも初めての参加でした。私の行った3says programは中学校で3日間学習支援を行う、という内容で、生徒8人と東大生4人に、現地の指導員の先生1人でした。ボランティアの最後には、この指導員さんに、「今まで来たボランティアの学生の中で、一番よくやってくれた。」とおっしゃっていただきましたが、それは、この指導員さんのおかげだったと思っています。私達は一日目にこの指導員さんが3days programで何を目指したいのか、熱く語っていただきました。「ただ勉強を教えるのではなく、将来について考

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第3期A班(2014年9月6日~7日)】

【活動内容】 中村第一中学校・中村第二中学校・向陽中学校・磯部中学校の生徒達がそれぞれの教材などを持ち寄って自主学習をする場で、質問に答え、またはアドバイスをすること 【感想】 「寺子屋」は現在の形式(会場で生徒たちが自習をしに来て、大学生がそれを補助するという形式)で定着しており、慣れている生徒たちもいる様子でした。 学習支援ですので当然のことかもしれませんが、勉強の内容についての質問や会話は比較的多かったものの、それ以外の雑談は少なかったように感じました。 自学自習で教材をサクサクすすめられる子供達もたくさんいたようなので、勉強に対する考え方を伝え、大学生活のことについて雑談できると大学生と中学生が交流する意義(=意欲向上や、進路選択について考える刺激になる)がもっと大きくなるだろうと感じました。そういった内容についても自分からより積極的に話を振れたらもっとよかったな、と思います。 相馬市教育委員会・星槎グループの方々には非常に親切にしていただいて、リラックスして活動できる環境を整えていただいたと感じました。 東京大学の学生でこれから学習支援ボランティアへの参加を検討している方には、自分のできることについてためらいを感じたり心配したりする必要はあまりない、と知っていただけたら良いなと思います。 星槎グループの尾崎さんに市中の状況を見せていただいたことや、教育委員会の方から福島県内での震災・復興についての認識と首都圏の認識のズレについて実情を教えていただいたことは、現状について理解を深める契機になりました。 尾崎さん、班のメンバーと一緒にお風呂に行ったり食事をしたりしたことは楽しい出来事でした。 (法学部・4年)

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第3期C班(2014年10月4日~5日)】

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 福島駅で新幹線を降りると、肌寒さに驚かされます。  最高気温が16度だとか。ちょうどぐんと冷え込んだ日にあたったためでもありますが、東北の厳しい気候を彷彿とさせる寒さでした。  今回は10月最初の派遣です。今回は土曜日の部は21人、日曜日の部は12人の生徒が参加してくれました。中間テストの時期(ある中学校に至っては、翌月曜日がテスト!)ということで、みな懸命に試験範囲のワークなどに取り組んでいました。 みな試験に向けて勉強に取り組んでいます  テスト前ということで、いつもほど子供たちと雑談したり、自己紹介で色々な話をしたりといった時間はとれませんでしたが、それでも休憩時間などを使って子供たちと交流を深めることができました。  実は筆者は、今回でもう4回目の参加になります。ある生徒からは「また来たんですね」とも言ってもらえました(良い意味であることを願っています笑)。参加回数を重ねて現地の教育委員会の方や生徒たちと少しずつ信頼関係を深めていくことの大切さを、足を運ぶ度に実感しています。  そのいっぽうで、活動の裾野を広げることも大切です。今回も多くの学生が初めての参加でした。初めての参加者には、初めてだからこそ持てる新鮮な視点があり、生徒たちも多様な東大生と触れ合うことでいっそう刺激を受けることができるはずです。それぞれ立場の違う参加者どうしがうまく支え合って活動を充実させて行けるよう、心がけていきたいです。 活動場所にて記念写真  ちなみに今回は活動の前後で希望者がそれぞれ観光の時間を設けました。現地の方のアドバイスもいただきつつ、福島や相馬の美味しい食事を堪能できました。学習支援活動ももちろんですが、こういったプラスアルファの活動も通じて、東北をより身近に感じることのできる学生が増えていけば良いなと思います。 福島駅そばの展望室から信夫山を眺める  ところで、活動中の天候は最後に少し雨に降られた程度で済みましたが、台風18号の接近により翌6日は市内の中学校がすべて休校となったそうです。中間テストも順延し、テストまでもう1日間が空くという予想外の事態に。  生徒たちが中間テストで実力を出し尽くせていることを、願っています。 (文学部・4年)