投稿

3月, 2015の投稿を表示しています

スタディツアー活動報告 2015/2/27(金)~3/2(月)

陸前高田でのスタディツアー (2月27日(金)~3月2日(月)) を無事に終えました。 http://www.u-tokyo.ac.jp/public/recovery/vol_03_bosyu_studytour_2702_03_j.html 3泊4日のスケジュールで、岩手県遠野市での後方支援のお話や、陸前高田市で地域コミュニティ、商業、漁業、農業に関する様々なことを学びました。 活動の写真は Facebook をご覧ください。 ここには1日目~3日目の参加者の感想をひとつずつ掲載します。 ========== 【1日目~遠野市総務部防災危機管理課】 ほぼ初めての東北、初めての岩手・遠野の地に降り立って初日。今日は、行政(より正確にすれば基礎自治体である遠野市)がどういった姿勢で震災に接しているのか、その意味における現場に触れることができたと感じる。つまり、遠野市は震災時には「後方支援活動」に迅速に取り組むことができた。そして今ではその記録を検証しながら、他の自治体や後世に伝えてゆこうとしている。 後方支援活動に関して総務部長から話を伺ったなかで、なるほどと納得がゆくもの、また自分に新たな視座を示してくれた内容があったので、それをいくつか挙げたい。 第一に、遠野の支援活動は決して偶然や奇跡などではなく、遠野という地域の特徴や用意周到な準備の上に実現したということだ。地図を一目見れば遠野が要衝を結ぶ恵まれた地点にあることが分かるし、地質学的にも自身に弱い土地ではない。もちろん、この東日本大震災は“初めて”だったわけではなく、過去にも同様の支援を行い市民の間に一定の理解が広がっている。避難訓練がきちんと実施しているし、何よりも決断を行う市長に危機管理の強い関心があった。ここまで条件が備わっているのかと、驚かされると同時に、納得もゆかざるをえなかった。 第二に、市長の姿勢にも現れているが、法は時に現場を把握して切れず、人に「ルールを超えた決断」が求められていることだ。そして第三に、職員300人で市民3万人に対応しきれないため、「自分の命は自分で守る。難しければ地域で」という発言が印象深かった。 あるべき地域コミュニティはどのようなものだろうか。第三の問について考えは尽きない。絶対正しい答えが存在するとはもとより考えられないが、私個人...

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第6期B班(2015年2月24日~2月27日)】

岩手県陸前高田市の中高生向けの3daysの学習支援活動に参加した。僕は高田第一中学校で支援活動に当たっていた。 ○参加動機 大学に入学してからいたるところで3.11の被災地へのボランティア派遣募集のチラシは目にしていたが、サークルやバイトが忙しいということを口実にこれまで参加することを避けていたが、今回運良く口実にするような予定も重なっていなかったので思い切って参加してみた。 ○他の参加学生との関わり 正直、全く面識がない他の学生ボランティアと4日間一緒に生活し、支援に当たることを上手くできるのかとても不安だったが、そんな不安は杞憂に過ぎなかったことがすぐに分かり、彼らと過ごした時間は。今回、東大から参加していた学生は8人で学年は学部2年から修士2年まで、学部は法、経、教育、教養、工など多様な人が揃っていたが、みんなボランティアに参加しようと思うだけのことはあってか、相手の話を聴く姿勢があって自己開示が上手い人ばかりですぐに打ち解けることができた。 午前中の自由行動時間、陸前高田市の活動場所の中学校と遠野市の滞在先とを往復するバス車内や活動が終わってから夜遅くまで語り合った時間は忘れ難い思い出になった。教育、社会、経済、進路のことなど彼ら7人の視野の多様さ、見識の深さにとても刺激を受けた。彼らとは今回の活動にとどまらず、今後も付き合いを続けていきたい。 ○支援活動に関して 教える勉強に関しては中学・高校の数学の標準レベルの数学の問題が中心だった。僕は塾講師や家庭教師としてのアルバイトの経験がなく、不安もあったが、実際に教えてみると勉強を教えること自体はそれほど難しくはなかった。 むしろ、学生ボランティアに求められていることは中高生に夢や目標を自覚させることだった。単に勉強を教えるだけなら、学習支援員の方々が既にその役割を果たしていた。大学生は学習支援員の方々よりも年齢的に中高生に近いお兄さん、お姉さん的存在として、中高生に対して自分の夢を語ることが求められている。 支援活動を行っていた中で、1人忘れられない子がいる。最終日に担当した高1の文系志望の女の子である。彼女は学びの部屋での経験を通して、人が環境の中でどう成長していくのかを興味を持つようになり、大学で社会学を学ぶことを志していた(震災という悲劇がなければ、学びの部屋も恐らくなかったわけで、それを思うとこ...

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第6期A班(2015年2月17日~2月20日)】

私は社会に出るまでもう間もないという時期になって、被災地の様子を生で見ることにより、自分が日本のためにこれから何が出来るかを考える材料にしたいと思いました。そして、出来れば被災地を目の当たりにするだけでなく、たった少しでも自分が復興のために貢献したいとの思いから、ボランティア活動に参加することを決意しました。 この学びの部屋は、生徒にとっての学びの部屋というだけではなく、私達大学生にとっての学びの部屋でもありました。たった3日という短い時間の中で、どれだけ多くのことを目の前にいる中学生に残すことが出来るか試行錯誤しながら活動に当たりました。中学生時代は、人生の中でも貴重な成長期。なので、勉強に関することだけではなく、人との会話や遊びなどから多くのことを学び取らねばなりません。そのことに留意して、勉強とは関係のないおしゃべりが始まっても、あまり干渉し過ぎず見守るという姿勢を基軸に置くようにしました。一方で、「今やってる勉強って招来役に立つの?」とか「大学生ってどんなことやってるの?」といった生徒達の持つ素朴な疑問には寄り添い、親身になって答えるようにしました。日が経つにつれて生徒と私達の間の距離も縮まり、そういった実直な質問を投げかけてくることが多くなったように感じます。 どんなに小さなものでも良いです。私達との本当に短い間のやり取りの中で、生徒達が新しい「何か」を見つけてくれたのであれば、これ以上に嬉しいことはありません。それは歴史の勉強の面白さかもしれないし、あるいは大学生って面白そうだな、という発見かもしれません。その「何か」が子ども達の心の片隅で光り続け、東北の、さらには日本の復興を担っていく大人に少しずつ成長していくことを願います。 (経済学部・3年)

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第6期B班(2015年2月28日~3月1日)】

イメージ
今年度最後となった「寺子屋」。素直で勉強や部活に一生懸命な子供たちと共に勉強し様々な話題について語り合い、愉快で個性的な班員たちと過ごした2日間は非常に有意義なものとなりました。 福島市からバスに揺られて1時間強、冬の寒さが残る相馬市(地元の方の感覚ではかなり暖かかったようです)に到着しました。宿泊場所にて打ち合わせ後、早速市内の活動場所にて活動を開始。初めに自己紹介で各自が大学で学んでいることを紹介した後、部屋の中を回り、質問に対応しました。参加生徒数は約30名で、受験直前の3年生だけでなく、1・2年生、既にⅠ期選抜で合格が決まった3年生も勉強に集中しており素晴らしいと感じました。休み時間には部活動や修学旅行、将来のことなど色々な話をしました。3時間にわたる学習会後には東大生から自身の中学・高校生活の体験談やキャリア面のアドバイスなどを伝え、卒業する3年生に東大グッズをプレゼントしました。1日目の活動終了後には宿泊場所にて班員たちと様々な話をして、とても楽しい時間を過ごしました。 2日目には活動場所を変えて3時間の学習支援活動を行いました。2日目は参加生徒数が約10名と少なかったこともあり、個別指導形態で一緒に勉強しました。1日目と同様に生徒さんたちは集中して学習に取り組んでおり、私たち東大生自身も刺激を受けました。一緒に数学の問題を解いたり将来の夢についての話をしたりする時間はあっという間に過ぎ、活動終了後は少し物足りなささえも感じたくらい充実した活動となったように思います。 昨年9月に「寺子屋」に参加した時と比較して、生徒さんが積極的に質問してくれるようになっており、学力だけでなく「勉強する力」が着実に身に付いてきているように感じられ、嬉しく思いました。今後も継続して生徒さんたちの学習のお手伝いをさせて頂ければと考えています。 相馬市は他の被災地と比較して道路の復旧などの復興が進んでいるというお話を聞きました。一方で、震災によって精神的なダメージを受けた子どもたちの「心の復興」がどれだけ進んでいるのかは目に見える形では分かりません。私たちの学習支援活動が「心の復興」にどれだけ役立てるのかは定かではありませんが、前を向いて進む上での目標となる「将来の夢」を考えるヒントが得られる場、あるいは勉強や部活動など様々なことについての話し相手がいる温かい場...

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第6期A班(2015年2月14日~2月15日)】

イメージ
我々、相馬市6期A班の7名は、2015年2月14日、15日の二日間にわたって福島県相馬市の学習支援ボランティアに参加した。 ◇一日目 一日目は14:30に福島駅のバス停に集合。各自簡単に自己紹介を行った後にバスに乗って相馬市まで向かう。福島駅周辺では積雪が確認できなかったが、バスで峠を越える道のりで雪が数十センチ積もっているのを見て東北まで来ていることを実感した。到着後、宿泊先のさくらビルにおいて相馬市の担当者の方から二日間のアウトラインについて説明を受けた。 会場に到着するとすでに30名ほどの中学生が集まっていた。3年生にとっては高校受験、1、2年生は学年末試験とそれぞれ大事な試験を控える時期であり自ずとこちらも指導に熱が入った。3時間ほどの学習サポートの後、各参加者から勉強に関するエールを送り散会。 宿泊先の方に銭湯や食事を案内していただき一日目は終了。 ◇二日目 LVMHアートメゾンにて二日目の午前中から学習支援を開始。この日は参加が10名ほどであった。ボランティア参加の7名に対して、参加する中学生が少なかった分、この日はより一人一人にきめ細かいサポートを行うことができた。推薦入試によって既に進路を決めていた中学3年生のある生徒は、高校生の内容の学習に入っており、高い意欲を持っていることが見えてなんだか喜ばしかった。 ◇所感 生徒の勉強のレベルと使用しているテキストのレベルに乖離があって、スムーズに勉強を進めることができていない生徒を見かけることがあった。テキストのレベルの方が高いと実力に見合わない問題を解くことになってしまい、この場合解けなくて自信を失うことが多いと考えられる。学校の先生方や保護者などの立場から、自習についてケアしてあげることが、自立的な学習を支える上で重要であると感じた。 また、生徒の中には勉強に集中できず友達とのおしゃべりが中心となってしまうものも散見された。他の生徒の学習を妨げず、3時間の勉強の価値を最大化させるような工夫を次回以降のボランティアでは行ってほしいと思う。 (公共政策大学院・修士2年)

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第5期B班(2015年1月31日~2月1日)】

イメージ
福島県相馬市にて「寺子屋」学習支援ボランティア、5期B班は1月31日(土)〜2月1日(日)の2日間で開催されました。あっという間に1月が過ぎてしまい、雪の福島で迎える2月です。 10月から生徒数が増えていますが、インフルエンザの流行で出席者は少なめ。土曜日コースは25人程度の参加でした。3年生は高校入試を直前に控えており、いつもより少し緊張感があったようにも思います。 いつ来ても感じることですが、相馬の子どもたちは皆とても真面目に勉強に取り組み、私たちの話に素直に耳を傾けてくれます。そしてまた、この活動で出会う東大生の仲間たちは魅力的な方ばかりです。 筆者は相馬に来るのは5回目になりますが、3月に卒業を控えており今回が最後の参加となりそうです。初めて学習支援ボランティアに参加してから2年半、子どもたちと過ごす勉強時間も、同行する仲間たちとの宿での時間も、いつもとても楽しい時間でした。 2年生の頃から顔を見知った生徒たちも、もう卒業も間近です。こうやって相馬の子どもたちと顔を合わせるのも最後になってしまうのでしょうか…。 被災地の役に立ちたい、様々な経験を積みたい、など、こういった活動に参加する動機はいろいろありますが、根幹のところにあるのは「楽しいから」に尽きるような気がします。自分が楽しんでいるだけでは自己満足になってしまうけれど、自分が楽しいと思えることをして、誰かの役に立ったり、誰かを楽しませたりできれば、素敵なことですね。 (文学部・4年)

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第5期A班(2015年1月17日~1月18日)】

今回私はUTVCの活動として福島県相馬市での学習支援活動を行った。学習支援活動を行うのは昨年の陸前高田市での活動に続き二回目である。二回目ということもあり私自身多少は活動に慣れてきたころではあったが、陸前高田市では一対一での学習支援を行えたのに対し、相馬市では一度に大勢の生徒に対応する必要があり、要求される能力はより高いものであった。私は家庭教師の経験があるため、勉強を教えたりするのは得意であると思っていたが、一度に多数の生徒に教える経験はなかったため、手探りの状況での活動であった。しかし、そんな私の話を熱心に聞いてくれる生徒がいたことはとても嬉しかった。ボランティア活動は、被災者の方々のためにならなくてはいけない。当たり前のことではあるが、実現するのは難しく、参加する前は自分の活動に意味があるのかと不安な面もあった。しかし生徒の反応を見る限り、そうした心配は杞憂であったようだ。だからといってこれに慢心せず、また機会があり参加することがあれば、今よりより一層役立てるように、日々の大学生活を過ごしていきたい。 (法学部・3年)

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第5期(2014年12月24日~12月26日)】

師走を迎え、本格的な冬将軍が既に到来していたせいか、僕が降り立った遠野駅には雪がしんしんと降り積もっていた。ミーティングと準備を終えて、向かうは陸前高田市立第1中学校。初めての東北であり、初めての被災地への訪問であった僕は複雑な気持ちを抱えつつも、どんなに小さなことでも自分ができることからしていこう、と強く思っていた。1時間ほどバスに揺られ現地に到着し、学習支援活動を開始した。初日には、中学3年生の3人が来てくれた。最初はややお互い遠慮がちな姿勢をみせていたものの、段々と打ち解けるに従って、勉強以外の話も弾む。学校のことや修学旅行の話はもちろん、将来の夢のこと、そして「震災」のこともたくさん話してくれた。3日間の支援活動で「学びの部屋」という空間を作るために、もちろん勉強を教えることもしたが、それよりも自分は「夢を持つこと」の意味を伝えることに精を出した。現地の子供たちに勉強を教えると同時に、子供たちからも「学ばされる」ことが多々あった。 「被災地」は「可哀想」なところ、我々はこのような印象を持ってはいないだろうか。もちろん陸前高田市をはじめ、岩手県・宮城県の太平洋岸は人的・物的に壊滅的な被害を負った。しかし、たとえそうした極めて厳しい現実に直面しても、そこにも我々の生活とはなんら変わらない「生活」があることを忘れてはならないだろう。子供たちは元気に学校に通い、大人たちは仕事に行き・・・当たり前のことである。被災地は支援されなければいけないもの、という支援者側の目線は傲慢ではないだろうか。我々と同じ普通の生活を取り戻すべく懸命に努力されている現地の方々に目を向け、被災地に対する個々人の見方を日本国民全員が持ってくれることを心から期待する。 子供たちに日々「学びの部屋」を提供なさっている一般社団法人こどものエンパワーメントいわて様、及び東京大学でこのようなボランティア企画の立案・運営をなさっているUTVC様に改めて御礼申し上げます。 (文科二類・1年)

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第4期E班(2014年12月13日~12月14日)】

イメージ
あの元気な子たちは今日も来ているだろうか。そんなことを思いながらバスに揺られてしばらくすると、活動場所の広田小学校に到着しました。広田小学校を前回訪れたのは今年の6月で、支援員さんと元気な生徒たちが、勉強をすることはもちろん、学校や部活の話をしたり、時にはふざけ合ったりしている温かい雰囲気がとても印象に残っていました。たった6時間一緒に過ごすだけで、また行ってみたいと思わせてくれるような温もりのある環境。そういうところに「学びの部屋」の一つの大きな魅力があるのだと思います。 今回の参加生徒は2名とやや少なめでしたが、その分勉強のサポートをしっかりできたし、生徒たちと色々な話をすることができました。私が主に勉強のサポートを担当した生徒は6月にも来てくれていた子で、問題を解くスピードが上がっている様子が分かり、(私のおかげではないとはいえ)嬉しく感じました。今回私がそこまですることができたとは思いませんが、複数回活動に参加して生徒の学習レベルの変化を確認し、それを踏まえてのアドバイスなどができればよいのではないかと思います。 もう一人の生徒とはあまり話す時間がなかったのですが、英語が得意で学習意欲があるようでした。聞くところによると「英語の部屋」という英語に特化して学習する(英検対策などを行う)場があるそうで、そういった場での活動にも東大生が参加する、あるいは同様の企画を実施するといった、今までとは違うサポートの在り方もあり得るだろうと考えました。 学習支援活動はハード面ではなくソフト面の支援、いわば「心の復興」を目指すという性格のもので成果は見えづらいのかもしれませんが、「学びの部屋」に私たちが参加することで生徒たちの学習へのモチベーションが少しでも高まったり、将来の進路を考えるきっかけや材料を与えられていたりすればいいなと思います。また、実際に被災地の現状を自分の目で見て肌で感じることで、「復興」の在り方などについて考える材料を得て、班員と議論することもできるということは私たちがこの活動に参加する大きな意義の一つだと感じました。 (文科二類・2年)

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第4期D班(2014年11月29日~11月30日)】

今回、私たちは11月30日に陸前高田市の3つの小学校・中学校において、学習支援活動を行いました。各学校での参加生徒数は、高田第一中学校3名、米崎小学校2名、広田小学校1名の計6名でした。 以下に、それぞれの班員の感想を記載します。 ・今回初めて被災地に行き被災者の方と接する機会を得た。自分が学習支援を行った高校二年生の子は自衛官を目指しているようで、震災の際に自衛隊の支援を受けたことが自衛官を目指すきっかけになったと話していたのが印象的であった。今回の自分の活動がどれだけ被災者の方の助けになったかは分からないが、今後も機会があればボランティア活動に参加していきたい。 ・東日本大震災から3年以上経って、初めて東北に足を踏み入れた。町の中にぽつぽつと見られるプレハブでできた事務所や住まいなどの「新しさ」によって、かえって震災の爪痕が意識された。 教育支援ボランティアへの参加は初めてであり、緊張しつつ中学校に足を踏み入れた。壁にはほかの地方の中学校からの応援メッセージが貼ってある。部活動の練習をする生徒たちは寒い中も半袖だった。 「学びの教室」にやってきた生徒たちは皆、素直で向学心にあふれていて、教える側としても非常にうれしかった。しかし、一人の生徒と進路の話になると、震災の影響が伺われ、表面的には見えなくても震災の余波ははっきりと存在するのだと感じた。 震災を経験していない人間ができることはあまりないのかもしれない。だが、微力ながらでも、人々に寄り添うことはできるだろう。今後もこのような活動があったら参加したい。 ・活動時間は短かったですが、子どもとのふれあいを通じて私たちの方が元気をもらった気がします。震災の話になると、子どもの方が泣きそうになってしまい深い傷跡を残したのだなと改めて感じました。 ・ リラックスした雰囲気の中、和やかな間が提供されていたように感じた。参加した生徒さんたちは積極的に勉強に取り組んでいたので、あまりこちらから働きかける場面がなかったが、支援員さんにお気遣いいただいたのもあって少しはコミュニケーションがとれたと思う。あくまで笑い話の文脈でだが、東京では学校や生活はこことは違うでしょう、というような話になったのが印象的だった。  何かを教えるというよりは、同じ時間を同じ場所で過ごさせてもらい、陸前高田の高校生の目線から見た日々の生活や震...

【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第4期C班(2014年11月15日~11月16日)】

「暇だし、ボランティアにでも行くか。」 私が今回のボランティアに行こうと思ったきっかけは、そういう情けないものでした。現在被災地の人たちがどのような暮らしをしているか、あまり実感のないまま現地に飛び込んだといった感じでした。 実際に行ってみると、現地の高校生たちは想像していたよりも元気でした。私が訪問した時期はちょうど高校の定期試験期間中ということもあり、朝9時の時点で生徒がもうすでに勉強していて、お昼時には最大で10人以上いました。友達がそれだけ集まるとやはり元気なもので、生徒たちは学校生活やスポーツの話題などを明るい口調で話してくれました。 しかし、復興の方はまだ道半ばであるという印象も受けました。活動場所である小学校の家庭科室の窓から外を眺めると、校庭には仮設住宅が未だに並んでいます。また、生徒たちも震災の記憶を完全に忘れたという訳ではなく、楽しい話題の中にも時折「東京の人って、地震が起こったらどこに逃げるのですか?」というような話もわずかながらありました。3年半が経っても、震災のことはそう簡単に忘れられるものではありません。 それでも、彼らは確実に前へ歩んでいます。「高校を卒業したら何になりたいの?」という疑問をぶつけてみると、獣医、化学者、銀行員、大工、ウェディングプランナーなどいろいろな答えが返ってきました。まだ高1、2年生の子も多かったですが、それでも各自の進路をきちんと考えており、それを真剣に語ってくれたのが印象的でした。みんなで集まれば、つらい状況の中でも各自の将来を見据えて頑張るだけの力を現地の高校生たちは持っていると思いました。 ですから、被災者が集まれるコミュニティーをしっかり維持していくのが復興に現在必要なことの一つだと感じます。「学びの部屋」で生徒たちの面倒を見る相談員さん、たまたまコーヒーを無料で被災者に配布していたスターバックスの従業員さん、活動に同行した東大生の皆さんなど、それぞれやっていることはバラバラですが、被災者のためのコミュニティーを作り、維持するという点では共通しているように思われました。そうした目標は1度や2度の活動で達成できるものではなく、これからも継続的に活動を続けていくことで到達できるものだと思います。 最後に、東大生の皆さんへ。「学びの部屋」を続けていくために、みなさんの協力が必要です。ボランティアと銘打ってあり...

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第4期D班(2014年12月20日~12月21日)】

12月20、21日に福島県相馬市にて学習支援活動を行ってきたので報告させていただきます。今回も、学部も学年も様々な学生7人が参加しました。 1日目は、相馬市生涯学習会館にて約30人の生徒を相手に学習支援を行いました。今年最後ということもあり、いつもよりたくさんの生徒が参加してくれたようです。主に、1、2年生は冬休みの宿題、3年生は受験勉強に一生懸命取り組んでいました。 2日目は、子どもアートメゾンという施設にて学習支援を行いました。参加生徒は10人ほどであったため、ほぼマンツーマンで指導を行うことができました。1、2年生が多かったため、冬休みの宿題に取り組んでいる子が多かったです。 私は今年の5月頃に来て以来2回目の参加でしたが、顔を覚えてくれていた子も多く、すぐに打ち解けることができたのはうれしかったです。前回は緊張してしまってなかなか大学生に質問できない子が多かった気がしますが、今回は自分から積極的に質問してくる子がたくさんいたのが印象的でした。その他の面でも、前回よりもいい雰囲気の中で勉強できていると感じたとともに、半年ほどしか経っていませんが、子供たちの成長も少し感じ取ることができました。 教育委員会の方の話では、震災から3年9カ月以上が経ち、相馬市ではほとんどすべての中学生がもうすぐ仮設住宅から出ることができるそうですが、今回参加して、この学習支援活動は、相馬の中学生にとっても、大学生にとっても非常に有意義な活動だと改めて感じたので、今後も継続していってほしいと思います。もちろん私もまた参加したいと思います。 最後に、2日間という短い時間でしたが、10年後、20年後の復興の主役となるであろう子供たちの力に少しでもなれていたらうれしく思います。 (法学部・3年)

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第4期C班(2014年12月6日~12月7日)】

〇1日目 メンバーの集合は福島駅でしたが、この日は寒波が襲来しており、雪もちらつく天気でした。 相馬に到着後、相馬市生涯学習会館にて支援活動を行いました。この日は30人ほどの生徒さんが来ました。はじめに手短に自己紹介を行い、活動に入りました。積極的に疑問をぶつけてくる生徒さんもいれば、黙々と勉強を進める生徒さんもいました。私自身としては、手持無沙汰にしている様子の生徒さんに、声をかけ、学校生活について聞いてみたところ、嬉しそうな顔をしてくれたということが印象的でした。学習会の終わりには、我々が生徒さんに向けて「なぜ勉強するか」「勉強で何に気をつけたらいいか」ということ等について一言ずつ話しました。 その後、海岸近くの温泉に行きました。途中の道路は一部がまだ修理されている途上であり、周囲も家の明かりがなく真っ暗でした。相馬の中心部は平穏な生活が営まれているように見えたのですが、海に近づけば震災の傷跡が未だに残っているようでした。 〇2日目 普段の日曜日の活動はアートメゾンというところで行われるのですが、この日はイベントが行われるらしく、1日目と同じ、生涯学習会館にて活動を行うことになりました。生徒さんの人数は約10人。流れとしては1日目と同じく「自己紹介→勉強→一言」というものでした。 この日は、勉強についての疑問に答えるということもしたのですが、学校生活の話を聞いてみたり、さらには興味を持ってくださった生徒さんには大学でどんな勉強をするかについて話したりと、勉強以外の話で花が咲いたりもしました。 活動が終わった後は、メンバーで昼食をとったあと、相馬駅近くのバス乗り場で解散となりました。 〇さいごに 私たちが今回行った活動によって、生徒さんにどれほどの印象を与えられたのかはわかりません。(彼らが私たちの話から学習等への意欲を得てくれれば幸いですが)。しかし、私としては、「なんで勉強するのか」ということを話す中で、まだ短いながらも自らが今まで行ってきた勉強が何に役立ってきたかを確かめる機会となりました。また、東北において活動した経験は「災害とその復興に際して、自分が何をすることができるのか」ということを知る一助となるように思われます。 ボランティアについては「他者に何かを与える」という側面はもちろんあります。私も以前は「誰かに何かを与えなければならない」とばかり考えて...

【活動体験記:相馬市「寺子屋」第4期B班(2014年11月22日~11月23日)】

今回私は、福島県相馬市における寺子屋ボランティアに参加しました。 その様子について、活動体験記として書かせていただきます。 学習支援活動は二日にわたって行われ、一日目は相馬市生涯会館での夕方からの3時間、二日目はこどもアートメゾンでの午前中3時間でした。週末の開催ということで、どれくらいの生徒数が集まるのか初めは少し心配でしたが、一日目は30人弱、二日目は約10人と思った以上の人数が集まり、生徒達の熱心さに驚きました。 参加者は相馬市内4つの中学校の生徒で、各日程一つの部屋に集まり、各自持ってきた教材を進めるという形式でした。一日目は人数が多かったため、生徒達が座る机の間を私達学生ボランティアが巡回する形をとりました。友達同士で来ている生徒もおり、どうしても私語が見られることもありましたが、基本的に皆さん真面目に問題集等に取り組んでいました。生徒によって、性格だけでなく積極的に取り組む科目や理解度等も大きく異なっており、探り探り指導していくのが難しくも楽しくも感じられました。 二日目は人数も少なかったため、二人~三人の生徒が座る机に学生ボランティアが一人ずつ座り、より丁寧に勉強を見ることができました。こちらは一日目よりさらに熱心に学習に取り組む生徒が多かったのが印象的でした。 活動を通じて、被災の記憶に負けず一生懸命に学習に取り組む生徒達とふれあうことができ、とても刺激を受けました。是非今後もまた参加して、彼らの学習を応援していけたらと思います。 (法学部・4年)