【活動体験記:大熊町学習支援活動(2015年3月25日〜3月27日)】

私が東北での学習支援ボランティアに参加するのは、陸前高田市、大熊町と合わせると今回で4回目です。東日本大震災が起こったとき、私は広島の高校に通っていました。テレビでは同じ日本人が大変な思いをしているのが毎日報道されているというのに、自分は一切苦労もなく今までと同じように高校に通っているのが申し訳なくなり、いつか東北の方々のために何かしたいと思っていました。そういった思いがあり、東北でのボランティア活動に参加し始めました。

今回の活動は、大熊中学校の生徒が春休みの宿題をするのをサポートするのが中心でした。午前午後ともに約10名程度の生徒が毎回参加し、多いときは20名を超える生徒が参加しました。勉強を教える以外にも東京での生活がどういったものであるか、大学生活がどんなものであるか、といったような話をしたり、体育館でレクリエーションをしたりして、3日間という短い期間でもかなり生徒と打ち解けることができたように感じます。
もともと人に勉強を教えることが好きだったせいか、これまで学習支援活動を行っている間は、とても楽しく満足感が得られました。もともと“人のために”と思って参加し始めたこの活動ですが、いつのまにか“自分のために”参加するようになっていたように感じます。

しかし、この活動に参加している間、「この活動が本当に被災地のためになっているのか」という疑念はずっと消えませんでした。私達の活動で、被災地が元通りになるわけでも、福島の放射線が無くなるわけでもありません。また、単に都会と地方における教育格差の是正を目的とするならば、派遣先は福島である必要はありません。私達が“福島”で“学習支援”をすることに意味があるのか、そういった疑問をずっと抱いていました。

今回の活動の初日に、ある高校二年生が中学校にやってきました。彼は大熊中学校の卒業生で、東大生による学習支援ボランティアの第1期(20123月)に生徒として参加していたそうです。彼はその学習会で、ある東大生と話したことをきっかけに4月から受験生として東京大学理科一類を目指すそうです。建築学科に進み、そこで得た知識をいつか被災地の復興に役立てたいと言っていました。


もし今回の学習会で大熊中学校の生徒が私達から何かを感じ取ってくれたのなら、それはまわりまわって東北の復興のためになるのかもしれません。たしかに私達にできることはほんのわずかなのかもしれません。しかし、自分たちに何かできないかと模索していくことが大事なのではないかと感じました。

(工学部・3年)

324日から27日まで福島県会津若松市の大熊中学校で、中学生の学習支援ボランティアに参加してきました。会津若松は新潟県に近く位置しており、津波や原発事故で被災された方の避難先となっています。中学校は仮設校舎でした。内陸にあるため想像していたよりもずっと寒く、最初の2日間は雪が降っていました。

2年前に気仙沼を訪れた時、次東北に来る機会があったら何かボランティアをしようと心に決めていたので、それが果たされたのはひとまずよかったです。ただ、ボランティア活動に参加することで初めて分かったこともあって、それは、人のために何かをするのは案外難しいということです。正直自分がどれほど中学生の役に立てたかわかりませんし、受け入れ先に迷惑をかけることもあったかもしれません。一方で自分は現地の方々や一緒にボランティアに参加した仲間から様々な刺激を受けて成長できたので、結局自分のためになったという感があります。後悔しているわけではありません。今までメディアを通してでしか知りえなかった「被災者」の話を実際に聴くことができたのは貴重な経験でした。ただ、今ボランティアについて考えてみると、これは「する」ものではなく「させていただく」ものなのではないかという気がします。遅ればせながら「情けは人の為ならず」の意味に気付かされた4日間でした。

(理科二類・1年)


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