投稿

4月, 2017の投稿を表示しています

【活動体験記紹介④:被災地スタディーツアー 28年度実施】

こんにちは、UTVC(東京大学復興ボランティア会議)です! 以前から、28年度実施の活動に参加して下さった方々の活動体験記の一部をご紹介しています。 第4弾の最終回の今回は、夏と冬の年2回行っている被災地スタディーツアーの活動体験記をご紹介します! ・被災地スタディーツアーってどんな感じ? ・聞いたことがあって、今年度参加してみたい! という方は、是非、読んで頂けると嬉しいです! 今回で活動体験記は最終回となりますが、今後学習支援ボランティアや被災地スタディーツアーの参加者募集をその都度行いますので、ぜひ引き続きUTVCのブログをご覧ください! 第四回~被災地スタディーツアー編~ 【活動体験記①: 第4回被災地スタディーツアー (8月23日~26日)】  私が今回の被災地スタディーツアーへの参加を決めたのは、被災自治体の職員として活 動していたある弁護士の方の言葉を聞いたのがきっかけだった。「ボランティア活動とい うような難しいことは考えず、観光気分でいいから、とにかく被災地に足を運んでほしい 」。それまで東日本大震災の被災地に関する知識も乏しく、復興の現状もおぼろげにしか 理解していない私であったが、被災地を訪問して自分の目で現状を見ることで、被災地に ついて考えるきっかけにしようと思った。  このように「観光気分」という気楽な動機から出発したという面もあったが、だからと いって今回のスタディーツアーの四日間で私が観光だけを行っていたわけでは決してない 。逆に言えばこのスタディーツアーは、「実際に被災地に足を運ぶことの意味は何か、そ こで学ぶことは何か」という問いに対しての自分の答えを探す四日間でもあった。 まず、現地に行くことで私が強く実感したのは、それぞれの被災都市ごとに被害状況や 復興の過程が異なるということである。避難できる高台までの距離は都市によって異なる し、同じ市の中でも津波被害が甚大であったところと比較的軽微であったところが存在す る。また、震災後に防潮堤を新築・修理するか、その高さはどうするかという問題に対し て、その土地の地理的・歴史的な条件のもとで住民が議論する中で出した答えも、都市ご とにさまざまであった。このことから私は、ともすると一括りにされがちな被災地の間に 存在す

【活動体験記紹介③:陸前高田市「学びの部屋」学習支援ボランティア  28年度実施】

こんにちは、UTVC(東京大学復興ボランティア会議)です! 前々回から、28年度実施の活動に参加して下さった方々の活動体験記の一部をご紹介しています。 第3弾の今回は、『陸前高田市「学びの部屋」』学習支援ボランティアの参加者の活動体験記をご紹介します! ・UTVCのボランティアってどんな感じ? ・聞いたことがあって、今年度参加してみたい! ・参加したことはあるけど違う地域の活動はどんな感じなのだろう? という方は、是非、読んで頂けると嬉しいです! 第三回~陸前高田市「学びの部屋」学習支援ボランティア編~ 【活動体験記①:陸前高田市「学びの部屋」第3期A班(9月6日~9日)】  今回の陸前高田市での「学びの部屋」学習支援ボランティアでは参加者は3つの学校に別れて活動した。私が伺った学校は広田小学校といい広田半島にある。この半島は震災の時に半島の付け根の両側から津波が押し寄せ陸の孤島となった場所だ。今でも校舎の目の前、おそらく校庭だったであろう場所に仮設住宅が整然と並んでいる。訪れたのが夜だったためか人影は見えず静かだったが、明かりが灯っていてこれまでメディアを通してしか見たことのなかった生活が確かにそこにあった。5年半が経った今、人々はもうその暮らしに慣れてしまったのだろうか。  広田小での「学びの部屋」は3つの学校のうち最も小規模で、来た中学生は1人か2人だった。集まる子たちの勉強のサポートをするというのが我々の主たる役割なのであるが、必ずしも勉強をすることだけが彼らの目的ではなく東京から来た大学生と話をするということを楽しみにしてくれている子もいるようだった。一方私の方も、彼らの勉強をサポートするという役割は果たしつつそれを通して彼らと交流することも大切にしようと考えてこのプログラムに参加していた。というのも、被災地や復興についてはテレビや新聞で見聞きして話としては知っていても、どこか自分にとって「流れてくるニュース」の域を出ないという感覚があったからだ。実際に現地に滞在し、住む人と話すと、そこが身近に感じられるようになり、その後も折に触れて自然と思いを馳せるようになるものだ。  私の担当した中学3年生の子は目前の試験に向けてこなさねばならない英語の勉強に飽きると、大好きな歴史や城、鉱物の話をしてくれた。家にあった石はほとんど

【活動体験記紹介②:大熊町学習支援ボランティア in 会津若松 28年度実施】

イメージ
こんにちは、UTVC(東京大学復興ボランティア会議)です! 前回から、28年度に実施した活動に参加した参加者の活動体験記を紹介しています。 第2弾の今回は、「大熊町学習支援ボランティア」派遣の参加者の活動体験記をご紹介します! ・UTVCのボランティアってどんな感じ? ・聞いたことがあって、今年度参加してみたい! ・参加したことはあるけど違う地域の活動はどんな感じなのだろう? という方は、是非、読んで頂けると嬉しいです! 第二回~大熊町学習支援ボランティア編~ 【活動体験記:大熊町学習支援ボランティア(夏期)(8月7日〜12日)】  今回で大熊中の学習支援活動は4回目となったが、僕がこの学習支援活動を通じてずっと考えていた問題意識があった。  それは、大熊中のみんなにとって、故郷とはどういうものなのか、ということだ。  自分の中での葛藤もあって、僕から彼らに聞こうとする勇気もなかなか出なかったし、彼ら自身も僕らと共有する時間を楽しんでくれた事もあって、そのような機会を得る事が難しかったが、今回1人の子が「あなたにとって故郷とは何か?」という質問に答えなければならない場面があって、僕に、何だと思いますか?と尋ねてきたので、その子と一緒に考えてみた。  その子自身はどう答えれば良いか少し困っていた様子に見えて、僕自身のまだはっきりしていないがぼんやりとあるものを暗に伝えつつも、その子の答えを待ちながら時間を過ごしていると、もう1人別の子が来てくれて、僕らと少し考えた後、「帰りたくても帰れない、思い出すと悲しくなる場所?」と答えてくれた。  それがその子にとっての故郷に対する本当の答えなのかどうかは、僕が決める事ではないとは思うが、少なくともその瞬間のその子にとって、震災から5年たった今、大熊町という故郷に対して感じている事を、自分自身の言葉で、僕ともう1人の子に率直に伝えてくれたものであったと感じ、(もちろんみんながそうなのかどうかは、僕には分からないことだが、)大熊中のみんなの中で、そんな悲しい気持ちが残ってしまっている子がいるという事に、身につまされる思いがした。  しかし一方で、僕が学習支援活動を通じて感じた、大熊中のみんなの、いい意味で曲がってなくて、一人一人がみんなを大切にする、あったかい空

【活動体験記紹介①:相馬市「寺子屋」28年度実施】

こんにちは、UTVC(東京大学復興ボランティア会議)です! 4月に入り、UTVCも、新年度の活動にむけて、準備を始めています。 さて、今回は、28年度に実施した学習支援ボランティア派遣と被災地スタディーツアー参加者の活動体験記の一部を、4回にわたって、ご紹介します。 ・UTVCのボランティアってどんな感じ? ・聞いたことがあって、今年度参加してみたい! ・参加したことはあるけど違う地域の活動はどんな感じなのだろう? という方は、是非、読んで頂けると嬉しいです! 第一回~相馬市「寺子屋」編~ 【活動体験記①:相馬市「寺子屋」第5回(9月10日~11日)】 私は今回初めて参加したが、この学習支援ボランティアの意義とさらなる可能性を感じる、充実した2日間であった。   2日目の学習会会場で、隣の部屋で自習をしている高校生に声をかけてみると、昨年度まで寺子屋学習会に参加し、この春高校に進学したという子であった。この会場は自宅からも近く、よく自習をしに来ているということであったが、よくよく聞いてみると、その日寺子屋学習会が開かれることを知って、東大生に質問をしたいことを持ってきたと言うのであった。ただ恥ずかしさもあり自ら学習会会場の方へ行くことはできなかったようであるが、話し出すと、進路選択や学習方法について、ここで解決しようと準備してきたと思われる質問が次々に出てきた。私は初めての参加であったが、少なからずこの学習会への参加が志望校合格という目標達成につながり、そしてなによりその生徒自身が、東大生に勉強を教えてもらったり、質問に答えてもらったりすることに意義を感じてくれているということを、とても嬉しく思った。  それと同時に、この学習支援ボランティアは、まだまだ密度高く、有意義なものになるとも感じた。前述の高校生のように、すでにこの寺子屋学習会に意義を感じ、参加が2年目、3年目にもなる子や、学習会中も積極的に質問をしてくれる子もいた。一方で、一生懸命勉強に取り組んではいるものの、3時間弱の学習会のほとんどを一人でできる問題演習に費やす子も多かった。少なくともその子たちにとってその学習会の場がきちんと学習する場となっていて、それはそれで良いことではある。今すぐ目に見える結果とならなくとも、ここでの経験が何らかの形で彼らの将来に影響を与えるということもあるだろう。