【活動体験記紹介④:被災地スタディーツアー 28年度実施】

こんにちは、UTVC(東京大学復興ボランティア会議)です!

以前から、28年度実施の活動に参加して下さった方々の活動体験記の一部をご紹介しています。
第4弾の最終回の今回は、夏と冬の年2回行っている被災地スタディーツアーの活動体験記をご紹介します!

・被災地スタディーツアーってどんな感じ?
・聞いたことがあって、今年度参加してみたい!
という方は、是非、読んで頂けると嬉しいです!

今回で活動体験記は最終回となりますが、今後学習支援ボランティアや被災地スタディーツアーの参加者募集をその都度行いますので、ぜひ引き続きUTVCのブログをご覧ください!

第四回~被災地スタディーツアー編~

【活動体験記①:第4回被災地スタディーツアー(8月23日~26日)】
 私が今回の被災地スタディーツアーへの参加を決めたのは、被災自治体の職員として活
動していたある弁護士の方の言葉を聞いたのがきっかけだった。「ボランティア活動とい
うような難しいことは考えず、観光気分でいいから、とにかく被災地に足を運んでほしい
」。それまで東日本大震災の被災地に関する知識も乏しく、復興の現状もおぼろげにしか
理解していない私であったが、被災地を訪問して自分の目で現状を見ることで、被災地に
ついて考えるきっかけにしようと思った。

 このように「観光気分」という気楽な動機から出発したという面もあったが、だからと
いって今回のスタディーツアーの四日間で私が観光だけを行っていたわけでは決してない
。逆に言えばこのスタディーツアーは、「実際に被災地に足を運ぶことの意味は何か、そ
こで学ぶことは何か」という問いに対しての自分の答えを探す四日間でもあった。
まず、現地に行くことで私が強く実感したのは、それぞれの被災都市ごとに被害状況や
復興の過程が異なるということである。避難できる高台までの距離は都市によって異なる
し、同じ市の中でも津波被害が甚大であったところと比較的軽微であったところが存在す
る。また、震災後に防潮堤を新築・修理するか、その高さはどうするかという問題に対し
て、その土地の地理的・歴史的な条件のもとで住民が議論する中で出した答えも、都市ご
とにさまざまであった。このことから私は、ともすると一括りにされがちな被災地の間に
存在する「差異」、つまり被災都市ごとの個別具体的な状況に注目する必要性を感じると
ともに、復興を早く進めなければならないという時間的な制約がある中である一つの答え
を出さなければならないことの難しさを実感した。
 
 また、今回のツアーの企画の中で最も印象に残っているのは、釜石市でのボランティア
ガイドだったが、ガイドの方から釜石市の津波被害についてのお話を聞く中で、私たちが
被災地に足を運んで震災の当事者から震災当時のことを伺うことの意義を考えてみた。第
一義的には、津波被害の教訓を語り継ぎ、今後津波が発生した場合に犠牲者を一人でも少
なくすることであろうが、津波の教訓を聞くだけならばわざわざ被災地に行くことはない
と言うこともできよう。それだけではなく、私は、被災地に赴き現地の方のお話を聞くこ
とが、自分が被災地のことを決して忘れてはいないという意思表示になるのだと考えた。
震災からの時間の経過に伴い被災地への関心が低下してゆくのは事実だが、だからこそ震
災を風化させないという強い気持ちをこちらから示すことが、道半ばである復興に現在で
も取り組み続ける東北の人々を勇気づけるのだと実感した。

 今回のスタディーツアーで実際に被災地に足を運んだことにより、東日本大震災の被災
地がより身近なものとして感じられるようになった。今回のスタディーツアーを企画して
下さったUTVCの方々、そしてツアーを同行した参加者の皆様に、感謝を申し上げたい。

(文科三類・2年)

【活動体験記②:第5回被災地スタディーツアー2月20日~23日)】
 私は今回このツアーを通して初めて東日本大震災の被災地を訪れた。これまで、被災地には関心を持ちながらも日々の生活にかまけて何も具体的なアクションを起こしてこなかった。このツアーは、一歩踏み出す絶好の機会だと思い応募した。しかし思い切って応募してはみたものの、被災地の現状や課題についてはこれまで何となく新聞やテレビで見聞きしていた程度の知識しかなく、こんな自分が被災地について語っていいのだろうか、語れるのだろうかと不安に思っていた。しかし参加してみて、私のような人間こそ一歩踏み出して現地に行ってみるべきだし、様々な問題について自分で見て聞いて考えてみるべきだと思った。実際に現地に足を運ぶことで気づくこともたくさんあり、そのとき自分が率直に抱いた感想を大事にして咀嚼していくプロセスを通して、被災地がずっと身近に感じられるようになったからだ。

 今回、市内の視察や関係者の方々との対話を通して、街づくり、コミュニティ再建、震災遺構、防災教育の在り方など様々な問題について考えることができた。私がこのツアーを通して最も印象に残っているのは、出会った方々が皆明るく前向きだったことである。先の震災で甚大な被害を受けた上に復興に向けて課題の山積している被災地域に対して、漠然と後ろ向きなイメージを抱いていた私は、このことに非常に驚くとともに感銘を受けた。箱根山テラスやりくカフェ、釜援隊など地域の活性化のために新たな取り組みを模索し、挑戦していこうとする人々がこんなにもいることに勇気づけられ、被災地域の将来に希望も感じとることができた。

 最後に、このツアーを企画したUTVCのメンバーには心から感謝したい。行政、民間、NPO、市民といった様々なレベルの方々からお話を伺うことができたが、このツアーでなければ出会えない人たちばかりだったと思う。そして素晴らしいツアーの参加者たちにも感謝したい。毎晩深夜まで振り返りのディスカッションをしたことで、様々な考えに触れることができ非常に勉強になった。気づけば、参加する前に「自分には何も語れないんじゃないか」と思っていたことが嘘みたいに、毎晩遅くまで議論に熱中している自分がいた。彼らのおかげで、非常に充実した4日間を過ごすことができたと思う。今回学んだことを忘れず、これからも被災地に関心を持ち続けていきたいと思う。

(教養学部・4年)


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