【活動体験記紹介①:相馬市「寺子屋」28年度実施】

こんにちは、UTVC(東京大学復興ボランティア会議)です!
4月に入り、UTVCも、新年度の活動にむけて、準備を始めています。
さて、今回は、28年度に実施した学習支援ボランティア派遣と被災地スタディーツアー参加者の活動体験記の一部を、4回にわたって、ご紹介します。

・UTVCのボランティアってどんな感じ?
・聞いたことがあって、今年度参加してみたい!
・参加したことはあるけど違う地域の活動はどんな感じなのだろう?
という方は、是非、読んで頂けると嬉しいです!

第一回~相馬市「寺子屋」編~

【活動体験記①:相馬市「寺子屋」第5回(9月10日~11日)】
私は今回初めて参加したが、この学習支援ボランティアの意義とさらなる可能性を感じる、充実した2日間であった。
 
2日目の学習会会場で、隣の部屋で自習をしている高校生に声をかけてみると、昨年度まで寺子屋学習会に参加し、この春高校に進学したという子であった。この会場は自宅からも近く、よく自習をしに来ているということであったが、よくよく聞いてみると、その日寺子屋学習会が開かれることを知って、東大生に質問をしたいことを持ってきたと言うのであった。ただ恥ずかしさもあり自ら学習会会場の方へ行くことはできなかったようであるが、話し出すと、進路選択や学習方法について、ここで解決しようと準備してきたと思われる質問が次々に出てきた。私は初めての参加であったが、少なからずこの学習会への参加が志望校合格という目標達成につながり、そしてなによりその生徒自身が、東大生に勉強を教えてもらったり、質問に答えてもらったりすることに意義を感じてくれているということを、とても嬉しく思った。

 それと同時に、この学習支援ボランティアは、まだまだ密度高く、有意義なものになるとも感じた。前述の高校生のように、すでにこの寺子屋学習会に意義を感じ、参加が2年目、3年目にもなる子や、学習会中も積極的に質問をしてくれる子もいた。一方で、一生懸命勉強に取り組んではいるものの、3時間弱の学習会のほとんどを一人でできる問題演習に費やす子も多かった。少なくともその子たちにとってその学習会の場がきちんと学習する場となっていて、それはそれで良いことではある。今すぐ目に見える結果とならなくとも、ここでの経験が何らかの形で彼らの将来に影響を与えるということもあるだろう。それでもやはりせっかくの機会をさらに有効活用してほしいという気持ちにもなった。

 学習支援を通して学力向上を図ること。そして東大生とのコミュニケーションを通して視野を広げたり、自分たちを支えてくれる存在を感じたりすること。まずはこのような目的はあるだろうが、必要に迫られた支援ではなく、我々が考え、届けたい支援を届けられる時期に来ているからこそ、より一層考えぬかなければならないと感じた。子どもたちが求めているものは何か、教育委員会の方が子どもたちに届けたいものは何か、我々が子どもたちに届けたいものは何か。あるいは、今の時点での子どもたちには見えてもいない、求めてもいないものを我々が届けたいとしたら、それを届けられるだけの準備をしているか。このようなことを考えていると、結局幸せとは何か、といった議論に至ることも多々あるが、ボランティアというものが、ともすれば我々の偽善や自己満足、押し付けになってしまいかねないことでもあるからこそ、限界はある中でも、その意義、目的を考え続けなければならないと感じた。
(法学部・3年)


【活動体験記②:相馬市「寺子屋」第6回(9月24日~25日)】

 私にとって、被災地にボランティアとして出かけるという経験はこれが初めてでした。これまでは自分が行ってどうなるのかと考え気おくれしていた面がありましたが、東日本大震災から5年以上が経過し、震災の記憶が薄れていく今、やはり行ってみようと思い参加させて頂きました。

 学習支援ボランティアは、東大生がよくやっている個別指導アルバイトのような感じでしたが、やはり最初はこの活動が本当に中学生たちの役に立っているのだろうかと思わざるを得ませんでした。もちろん、自分が気づかないところで役立っている面もあるかもしれないし、東大生ばかりの環境で生きている影響で考え方が偏っているのかもしれません。しかし、自分が中学生だった頃を思い出しても、学校の勉強に意欲を持って取り組んでいたかといえばそうではないし、教科書とワークブックだけでは興味を持てと言われてもなかなか難しい部分があるように感じます。そういった意味で、座談会を行うことは中学生たちにとって参考になる内容だったと思いますし、結果的には私にとっても自分を捉えなおすいい機会になったように感じます。

 被災地支援といっても、相馬市では目で見てはっきりわかるような震災の痕跡には遭遇しませんでした。被災地と知らされていなければ、そう認識することもあるいは難しかったかもしれません。現地の方の話によると、地震発生直後から市長が早期復興のためご尽力なさっているとのことでした。それまで私は震災における行政の対応について若干懐疑的に思うところもありましたが、そういう例もあるのだと知り私の行政に対する見方も変わりました。座談会でも自分以外の3人の方々は、何かしらの形で人の役に立ちたいという想いが将来の夢に結びついているのに対し、自分はよく物事を観察したいという程度にとどまり、自分の将来に対する考えの甘さに気づかされる結果となりました。

 中学生に教えるというより、逆に自分が教わったのかもしれない、そう感じた2日間でした。相馬市に滞在中、色々と配慮をして下さった相馬市教育委員会の方々には本当に感謝しております。機会があればまた伺いたいです。
(文科一類・2年)

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