【令和元年度夏スタディーツアー実施報告】

【令和元年度夏スタディーツアー実施報告】
9/9(月)〜9/12(木)に東日本大震災被災地スタディーツアーを実施しました!
今回の訪問エリアは宮城県南三陸町、岩手県陸前高田市、大船渡市、釜石市です。
行程順に、活動内容と参加者の感想、写真を掲載いたします。

1日目午後:南三陸町
【南三陸学びのプログラム】
概要:地域住民の方を語り部にお迎えし、志津川地区と戸倉地区をバス案内していただきました。震災遺構の見学や現地に降り立ち震災当時の状況のお話を伺うことでその被害の大きさを実感するとともに、さんさん商店街など、南三陸町の歩みも学びました。


(参加者感想)
・個人的に南三陸を訪れる機会がこれまで少なかったため1から学ぶことが多かった
・実際に南三陸を回りながら説明を受けられたのが良かった。
・「どのような地形でどう被害を受けたからどのように復興している」というストーリーがわかりやすく、他地域との比較もしやすかった。



ブライダルパレス高野会館

(3月11日当日は敬老会が催されていた中で、

従業員の方のご尽力もあって全員無事だったそうです)


モアイ像(チリ地震津波以来、

陸とチリとの交流があるそうです)

2日目:陸前高田市
午前【箱根山テラス】
概要:「地域内の木質資源と、地域内外の人的資源を、宿泊・滞在施設を通じて循環させる」という目的のもと造られた箱根山テラスで働く従業員の方にお話を伺いました。被災地の外から入っていくからこその目線、できること、あるいは困難を考えることができました。テラスからの眺めはとてもきれいで、観光としての可能性も感じました。

(参加者感想)
・人口減少地域で地域活性化プランを生み出す環境を整える難しさを感じた。
・被災地に限らず、ある地域に外から入っていき事業を進める時の視点を得られる一方で、どのような立場が求められるのか、難しさも感じたが、学生だからこそできることも何かあるのではと思った。



午後【陸前高田市役所】
概要:陸前高田市役所都市計画課の永山様に市内を案内していただき(オープン間近の伝承施設も特別に入らせていただきました)、その後ほんまるの家にてディスカッションを行いました。災害による被害が大きかった中で陸前高田市としてこの8年間どのような方針で復旧復興を進められ、そして今後どのようなまちづくりを行なっていくのか。実際にまちづくりの最前線で働いていらっしゃる方からのご説明に参加者の理解も深まったようでした。

(参加者感想)
復興の進行状況と10年後,20年後の被災地をどうしていくべきかという問題提起について伺うことができた。
復旧,復興と公平性について考えるきっかけになった。

箱根山テラスからの眺め

箱根山テラスの方と。

昼食はりくカフェでいただきました。

りくカフェは震災を契機に作られたコミュニティスペースで、

現在も健康増進を目的とした活動が行われています。

毎日大盛況のようです!
ほんまるの家の前で。
嵩上げされた地区を見ながらお話を伺いました。

3日目:大船渡市
午前【大船渡おもてなし隊】
概要:震災で被災をした地域住民の方から、震災当日の津波からの避難やその後の避難所での生活についてのお話を伺いました。その後実際に高台まで避難経路を歩き津波の高さや避難経路の課題について学びました。被災直後にはリーダーシップを持つ者が居ないと混乱が生じてしまうこと、避難生活の中で生じる住民同士のトラブルなどハード面の復興以上にソフト面の復興が困難なのではないかと感じました。


(参加者感想)
今回のツアーの中で一番リアリティが感じられるプログラムだった。「知らないうちに決まっていた」という言葉が印象的だった。また実際に歩くことで高台へ避難することの大変さを実感できた。
大船渡おもてなし隊はなかなかわからない被災直後の避難所の様子や公営住宅への振り分け、防潮堤の建設などを住民目線から伺えたし、思いも伝わった
震災当日、実際に地域住民の方が歩いた避難経路。
ツアー中に歩きましたが、かなりの段数でした…

午後【キャッセン大船渡】
概要:官民連携による中心市街地の活性化を通じ新しい形の商店街づくりに取り組むキャッセン大船渡では、タウンマネージャーの臂徹さんと市役所の佐藤大基さんからキャッセン大船渡の取り組みについてお話を伺いました。トップダウンで最初に全てを作りきるのではなく、市民と一緒に「作りながら考える」まちづくりが被災地のみならず人口減少の進む地方では重要であることを学びました。後半では「キャッセン大船渡を中心とした大船渡市の今後に対して、東大生がどのように関われるか」についてディスカッションを行いました。

(参加者感想)
キャッセン大船渡でのお話は、哲学に基づいて街づくりを行っているという印象を受けて、興味深かったです。
キャッセン大船渡は将来の人口減少を見越して、出店する事業者が減ったら商店街を縮小できる建築構造にしているのが斬新だと感じた。
・キャッセン大船渡では、ディスカッションでゆっくりとお話を伺えて、より深い理解になりました。

 




【イー・ピックス/大船渡印刷(熊谷雅也様)】
概要:地元の事業者様である熊谷様から大船渡で起業している経緯や震災後にどのようにして事業を再生させたかについて伺いました。縁あって大船渡に来られた熊谷様が、様々な出会いや困難がありつつ地域をとても大事に思われていることがとても伝わってきました。同時に補助金等があっても事業再建が一筋縄ではいかないことを痛感しました。

(参加者感想)
・産金を軸に気仙地域をPRしていければというお話がとても新鮮だった。
・震災後実際にどのようにして事業を再建されたかについてはネット上で調べてもわからないことが多かったため、当事者の方にお話を伺えて勉強になった。





4日目:釜石市
午前【うのすまいトモス・ご講演&ディスカッション】
概要:最終日は場所を釜石に移して活動を行いました。まずこの3月にオープンしたばかりの震災伝承施設「うのすまいトモス」を見学して、震災当時の様子や釜石で実際に起こったできごと(奇跡と悲劇)について伺いました。その後、場所をうつして土橋様・城守様・境様の3人からそれぞれお話を伺い、「過去・現在・未来」という軸を中心にしながらディスカッションを進めました。ツアーの集大成となった中で、参加者がこれまで見聞きしたことに関する疑問や意見を釜石の方にぶつける姿が印象的でした。


(参加者感想)
・「ふるさと難民」というワードが印象に残った。自分も親の転勤等で様々な土地を転々とする中で似た感覚があった。

・お話を聞く中で「自分ごと」にする難しさを感じるとともに、そこへ挑む姿勢の重要さも感じた。

写真左に見える黒い壁は震災当日に実際に津波が来た高さを表しています。

10段以上の階段を登った地点から撮った写真で、

いかに高い津波が来たかをうかがい知ることができました。


昼食をとった魚河岸テラス前で

夏スタディーツアーの報告は以上になります。ご協力くださった方々、参加してくださった皆さん、ありがとうございました。
UTVCではスタディーツアーを春夏と年に2回実施しております。初めての方も、リピート参加の方も今後ぜひご応募ください。
また運営に関わってみたいという方がいましたら、お気軽にお問い合わせください。

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