【活動体験記:相馬市「寺子屋」第1期B班(2014年5月31日~6月1日)】

1日目は相馬市生涯学習会館で、28人の中学生に対して疑問点やつまずきを少しずつ教えて廻る形で活動しました。生徒達は初めこそ緊張していたものの、東大生が話しかけると返答や質問など素直に応じてくれたのが印象深かったです。2日目はLVMHアートメゾンで、10人の中学生に対して1対1の形で勉強を見ました。基本的に全員席に座って活動していたため、1日目に比べて生徒達の進捗状況を把握しやすく、また陽の光に溢れた明るい施設だったこともあり、終始和やかに進んでいきました。両日とも市内の中学校から1~3年生が集まり、それぞれ宿題や自主学習を進めていましたが、3年生の多くは近く実施される実力テストに向けて1・2年次の学習内容の復習に勤しんでいました。



私達は、席を立ったり大声で騒いだりすることなく全員が3時間集中して勉強に取り組んだり、部活や練習試合で疲れているはずなのに遅れてまでも参加したりする相馬市の中学生の姿に驚き、感心しきりでいました。しかしその一方で、教育委員会の方のお話にもありましたが、恥ずかしがって自ら東大生に話しかけることをあまりしない消極的な部分も感じとりました。筆者自身相馬市の出身で、昨年は教育実習で相馬市の高校を訪れましたが、その際に「相馬市で育った子ども達は基本的に内向きでおっとりしているため、目の前に流れていく情報に対して受け身の姿勢になってしまい、自分に必要な情報を掴もうとする力が大きく欠如している」という意見を指導教官から頂きました。また、ゆったりとした風土の相馬市は昔から情報が入りにくい特性を持っているため、子ども達はなおさら積極的に外の世界から情報を得ていく必要があると思います。震災が起きてこの問題がより顕在化した今、そのような力をどう子ども達に身につけさせていくのかが、今後の相馬市の教育をより良いものにしていく鍵なのではないかと思います。その点東大生と交流できるこのボランティアは、子ども達が教育を通して外の世界から情報や刺激を得られる貴重な機会であり、学習面だけでなく子ども達にとってより深い部分においても、大きくプラスに働くのではないかと思います。(今後このボランティアに参加する東大生の皆さんにこの点を留意していただきたいと思い、記しました。)



最後に、支援活動の時間以外でも、教育委員会の方や宿泊場所「さくらビル」の管理人の方から相馬の子ども達に対する教育意識や熱い思いを聞いたり、深夜になるまでボランティアの反省や教育についての議論などをしたりと、非常に有意義な時間を過ごすことができたと思います。


(人文社会系研究科・修士1年)

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