五月祭講演会「復興支援とまちづくり」開催しました

 ご報告が遅れましたが、去る5月17日(土)、第87回東京大学五月祭において、東京大学法学部准教授・米村滋人先生講演会「復興支援とまちづくり」を開催しました。約40名の方にお越しいただき、盛会のうちに終えることができました。

米村滋人先生(東京大学法学部准教授・医師)

第1部:米村先生ご講演


 第1部では米村先生にご講演いただき、「東北の被災状況と現在」「震災ボランティア活動の概要「大学のかかわり方・学生のかかわり方」という3つの柱にそった、たいへん興味深いお話を伺うことができました。

第1部の様子

 震災から3年以上が経ちましたが、まだ被災地の復興は途上であり、ボランティアは必要とされ続けています。一方で、必要とされているボランティアの「質」が変化しており、多人数・単発型で行う匿名の支援から、少人数が継続して同じ地域に足を運ぶ顔の見える支援が中心となりつつあります。
 そうしたなかで、学生はその時間的余裕や機動力を活かし、ボランティアにおいて重要な役割を担う可能性を秘めています。一方で、入れ替わりが激しく、活動の質にばらつきが大きい学生の活動には課題も多くあります。大学は、社会との結節点としてのボランティア活動に積極的に取り組み、学生の活動をサポートする枠組みを作る必要があるといるでしょう。
 米村先生は、東北大学在任中に「東北大学ボランティア支援室」の設置に尽力され、その運営にあたられてきました。講演では、東北大学ボランティア支援室の学生スタッフとして活動された保坂龍彦(ほさか・たつひこ=東北大学医学部3年)さんからの発表も交え、その歩みをご紹介いただきました。

第2部:東北大学・東京大学の取り組み


 第2部では東北大学・東京大学の学生がそれぞれ登壇し、大学におけるボランティア活動の取り組みと、参加する学生の意識などについてそれぞれ発表の後、相互に意見交換を行いました。会場の方からもご意見やご質問をいただき、予定時間を20分ほども超える白熱した議論が交わされました。
第2部の様子
(壇上左から冨田、佐藤、石井さん、小林さん) 

 東北大学からは、東日本大震災ボランティア支援室の学生スタッフ・石井雄太郎(いしい・ゆうたろう=東北大学法学部2年)さんから、東日本大震災ボランティア支援室が地域に根ざした活動を模索しながら「部門」を立ち上げ、地域に根ざした活動をおこなってきた沿革と現在の状況についてお話しいただきました。また、小林大一郎(こばやし・だいいちろう=同工学部2年)さんが、支援室の主催するボランティア活動に参加した学生としての感想や、今後の取り組みへの思いなどを語ってくださいました。

 東京大学からは、私どもUT-VCを代表し、冨田真緒(とみた・まお=東京大学法学部4年)と佐藤寛也(さとう・ひろや=同文学部4年)から、東京大学の学習支援ボランティア活動の概要と、その運営を私どもUT-VCが担わせていただくようになるまでの経緯などをご紹介しました。

 質疑応答では、両大学のボランティア参加者数の比較や、活動に当たって留意していることなどについて、双方の学生が質問を交わし、さらに会場の方からも他の大学との連携の拡充の必要性や、こうした活動の意義や成果を広く伝えていくことの指摘を含めた、貴重な意見を伺うことができました。
 閉会後も、会場では来場者どうし、また登壇者と来場者とがそれぞれの取り組みなどを紹介しあい、交流を深めている光景がとても印象的でした。

 昨年度の駒場祭に引き続き、私どもの活動を皆様に知っていただき、同時に皆様と一緒に被災地の復興について一緒に考える機会を得ることができました。改めて、ゲストの皆様、そしてまた、ご来場いただいた多くの皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。

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