【活動体験記紹介③:陸前高田市「学びの部屋」学習支援ボランティア  29年度実施】

こんにちは、UTVC(東京大学復興ボランティア会議)です!

前々回から、29年度実施の活動に参加して下さった方々の活動体験記の一部をご紹介しています。
第3弾の今回は、『陸前高田市「学びの部屋」』学習支援ボランティアの参加者の活動体験記をご紹介します!

・UTVCのボランティアってどんな感じ?
・聞いたことがあって、今年度参加してみたい!
・参加したことはあるけど違う地域の活動はどんな感じなのだろう?
という方は、是非、読んで頂けると嬉しいです!

第三回~陸前高田市「学びの部屋」学習支援ボランティア編~
【活動体験記①:陸前高田市「学びの部屋」第2期C班(12月16日~17日)】
 多くの人は、被災地を訪れたことがなく、災害直後の当初の状況をメディアを通してでしか見たことがないと思います。そのような前知識だけで、被災後の状況(当初の状況から移り変わりまで)を知らずに、新しい道路が敷設され住宅地が想像よりも多く建設されている様子だけを見ると、訪問者に恐らく「意外に」順調に回復しているように勘違いさせてしまうのではないかという危険を感じました。幸運にも、私は実際にご案内くださった支援員の方からお話を伺うことができましたが、被災した方々の苦しみや悲しみを知らず、同じ日本であるにもかかわらず、誤解され世論の注目が低下することに危機感を感じます。といっても、6年経った今も、道路や住宅地がまだ完全に復旧していない状態です。政府がすすめている地方創生や東京オリンピックよりも被災地の迅速な復旧に注力して支援すべきなのではないだろうか、と税金の使い方について真剣に考えるようになりました。
 今回の活動は百聞は一見に如かずということを再認識させられたものであった。自身はこれまで報道で何度も映像を見てきたつもりであったが、津波で大きな被害を受けた土地を訪れるのは初めてであった。現地で、想像をはるかに超えた殺風景、あまりにスケールの大きい工事の様子を目にし、息をのんだ。
 今回、陸前高田という所謂被災地を訪れるということは、自分の中で復興支援という意味合いが強かった。しかし、そこが都市の計画という点でこれから非常に面白く、楽しみであること、そして東京にはない素敵な雰囲気を持っていることを知った。時間を見つけて再び訪れたいと強く思う。
 今回小中学生の子供たちと触れ合って大きな希望を感じました。真摯に宿題に取り組み目を輝かせながら将来の夢や家族、趣味のことをについて話している姿を見てとても嬉しく、もっと応援したくなりました。少し前までは自分が大人にあんな感じで話していた気がしたのに今自分はもう次の世代をこうしてボランティア等を通して支える事ができる年齢になったのだと思うと気が引き締まる思いでした。陸前高田の大自然と人が好きで将来も地元に残りたいという子も、陸前高田は何もないから早く都会に出たいという子もいて被災地の復興や地方創生についてたくさん考えさせられました。公共政策を学ぶ者として、子供たちの世代と将来の町づくりについてもっとお話をしてみたいと思いました。
陸前高田第一中学校へ続く坂をバスで登っていると、道の両側に新しい住宅が並んでいることにびっくりしました。一年前に来た時は、まだ二、三軒が建設段階に入ったばかりでした。これらのお家には今まで仮設住宅に住んでいらっしゃった方が入居予定です。新しいお家の窓の外に干してあるお布団や洋服、思いのままにガーデニングを楽しんでいることが伝わるお庭を見て胸からこみ上げてくるものがありました。
 大学一年生時から毎年一回、学習支援活動で陸前高田に来るたびに復興が遅々として進んでいないと暗い気持ちになって東京に戻ることが続いていました。しかし、私が初めて陸前高田を訪れた20152月から三年が経ち、陸前高田商店街がAbasseとしての復活や、嵩上げ工事や防波堤の現状を見てこの三年という年月の重みを感じました。
 今回の学習支援活動で最も印象に残ったのは学生の成長した姿でした。今回は前にも教えたことのある学生に学びの部屋で会うことができました。彼/彼女は私のことは覚えていないかもしれませんが、私は彼/彼女が友人に囲まれながら楽しそう自分の夢について話してくれて、勉強に取り組む姿に感動しました。
 この活動に短い間でしたが、携わることができてよかったと思いました。社会人になっても陸前高田には行きたいです。
公共政策大学院修士1年)


【活動体験記②:陸前高田市「学びの部屋」第4期B班(2月18日~21日)】
 活動を通して、感じたことは3点あります。
 1点目は、「復興はいまだ終わっていない」ということです。実際に陸前高田市及び気仙沼市を訪れてみると、確かにがれきはほぼ処理されて無くなっているものの、現在はかさ上げを行っている最中であり、建物はほとんど建てられていませんでした。
 「7年近く経ったため、おそらく復興はほぼ完了しているのだろう」という首都圏の多くの人々が無意識に抱いているであろう認識が誤っているということを確信し、「がれきの除去が完了し、建物が建てられはじめ、ようやく復興が本格化してきた」という事実を、身をもって知ることができたことは、とても意義があったと感じました。
 2点目は、「復興は、復元を意味するのか?」という疑問です。がれきの処理がほぼ完了しつつあり、新たなまちをつくってゆく段階に入った現在、どのような形でまちづくりを進めてゆくべきかについて、考えさせられました。
 現在、津波によって松が流され一本の松のみになってしまった高田松原に、もう一度松を植えて景観を取り戻すプロジェクトが進みつつありますが、支援員の方に「松が新たに育つまでは数百年かかる。それよりも、せっかく更地となったのだから工場や倉庫の誘致を行うなど、活気あるまちの実現のためにこの場所を活用するべきではないか」との考えを伝えていただき、復興は復元であるべきかということについて、とても考えさせられました。かつてのまちの姿に可能な限り戻すことができたとしても、それは「地方の過疎地域」の復元であって、支援員の方がおっしゃっていた「一関市方面への若者の流出が深刻だ」という問題の解決には繋がりません。震災、地方の過疎、少子高齢化という複数の問題が立ちはだかっており、対応の難しさを感じました。
 3点目は、子どもたちは、震災の被害よりも、一般的に地方に見られる問題(進学先についてなど)を抱えているように見えたということです。

 これは、震災から7年近くが経っていることから、震災が子ども達に対して与えた影響は、我々外部者がすぐに感じ取れるほどではなくなったということでしょう。しかし、支援員の方は、「確かに以前よりは子ども達は落ち着くようになり、今後学びの部屋の形はニーズの変更にあわせて変わってゆくと思うが、これから先も必要とする子どもはいるだろうし、形を変えてこのような場を提供し続けたい」とおっしゃっており、子どもがどのような影響を受け、何を考えているのかを読み取ることについては、三日間の交流では限界があると感じました。今後の自身の課題としたいと思います。
(教育学部・3年)

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