【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第1期A班(2014年6月7日~6月8日)】

今回私たちA班は、陸前高田市内の3つの小中学校に分かれて活動しました。陸前高田市立第一中学校では、朝は少なかったのですが、昼前あたりから徐々に生徒さんが増え始め、全部で20人以上の生徒さんが来ました。個別学習室では高校一年生が中心で、わりとみんなでおしゃべりをしながら自習するというスタイルで、図書室では受験を控えた高校三年生が中心で、静かに自習をするというスタイルでした。広田小学校では、午前中は中学3年生の男の子1人、午後はテスト期間が近いとのことで、女の子が中三1人、高一2人、高二1人が来ました。午前中は数学、国語の問題を見て雑談、午後は数学、生物、古文などの科目の質問を受けました。勉強以外にも写真に興味がある子にカメラの使い方を教えたり、進路相談に乗ったりと、いろいろな話をしました。また、今後の学習や受験への意識付けになればと思い、問題の解き方のほかに、各教科の勉強方法や自分の進路選択の経験なども話すようにしました。近辺に大学がないために大学生という存在自体が珍しいらしく、生徒たちは大学での勉強や課外活動の話をとても面白そうに聞いてくれました。



宿泊施設の周辺はそれほど被害がなかったようでしたが、陸前高田市に向かうとその光景は一変しました。住宅の跡が延々と続く平地や、ところどころ積み上げられた瓦礫、小学校の校庭に並ぶ仮設住宅。学習支援中にも余震があり、いまだに震災の爪痕が色濃く感じられました。活動センターのある遠野市では移動中に人に会うことはあまりなく、地方における過疎化の現実を目の当たりにしました。震災からの復興がスムーズに進まない状況ではありますが、復興をさらに越えた先の、地方都市の開発や発展における長期的なビジョンが求められているように感じます。また学習支援活動を行う中で教育における都市部と地方の情報格差が存在すると感じ、教育機会が平等ではないという問題は発展途上国だけの問題ではなく日本自身の問題でもあるのだと気づかされました。そして、学習支援した高校生たちは仮設住宅に住み、不自由な生活を送りながらも必死に勉強し、何よりも将来について真剣に悩んでいる姿に感銘を受けました。生き生きとした彼らの姿に文字通り勇気付けられました。私たちがいかによい環境で過ごしているか、学習できているかを感じました。

今回の体験によって日本自身を知ることの大切さを再確認しましたが、一度の活動で分かることはほんの一握りだと思います。これをきっかけとして継続的なボランティア活動を行うとともに、多様な視点から日本が抱える問題を考えていこうと思います。また、今回の活動は学習支援という形でしたが、学習以上に東京や大学生の世界のこと、将来について考えることなどを伝えられたのではないかと思います。私たちにとって、被災地の現在を知っただけではなく、生徒たちから元気をもらい、非常に実のある活動となりました。

(班員一同)

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