【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第1期B班(2014年6月21日~6月22日)】

今回は二人分書いていただきました。

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私は6月22日、陸前高田市立第一中学校の「学びの部屋」において学習支援活動を行いました。その様子について、簡単ではありますが報告します。まず、学習支援活動そのものについて、次に被災地に赴いた感想を述べます。

まず、学習支援活動についてです。私が訪れた日は、ちょうど高校の試験明けだったようで、想像していたより来てくれる生徒さんの数は少なかったですが、常に最低でも一人は来ていたため、退屈するようなことはあまりありませんでした。活動の中で一番印象に残っているのは、生徒さんとの何気ない会話です。もちろん学習についての指導もしましたが、むしろ、部活のこと、受験のこと、最近思っていること、興味のあることなどについて話を聞く時間の方が長かったように思います。生徒さんにとって、「学びの部屋」は何気なく会話ができる場としても機能していました。

次に、被災地の現状を目の当たりにしたことについてです。よくメディアで目にする光景ではありましたが、仮説住宅が校庭には敷き詰められている様子は、やはり衝撃的でした。第一中学校に向かうまでの道中でも度々仮設住宅を目にし、まだ多くの方が避難者であり続けている現状を実感させられました。被災者の方々が住むことになる公営住宅の建設作業は、まだ整地が終わったぐらいで、まだまだ完成には時間がかかりそうでした。支援員さんの話によれば、陸前高田は復興が遅れている方だということでしたが、多少の差はあれ、他の自治体も似たような状況なのだろうと思います。

このような現状を伝えると、数人の生徒に対する学習支援に意味があるのか、と思うかもしれません。しかし、すべきことが何か考える時間があれば、とりあえず行ってみて、小さなことからはじめるべきだと私は思います。私自身も、今まで何をすべきか考えるだけで、結局は何もできていませんでした。実際に行ってみることで改めて思う点はありましたし、既に述べたように「学びの部屋」は生徒にとって重要な場として機能していることから考えても、この活動には十分な意義があると思います。

この他にも、支援員さんとの話など報告したい点はまだまだありますが、紙幅の都合上これ以上は書きません。「百聞は一見に如かず」という言葉があるように、これ以上のことが気になる方で被災地にまだ行ったことがない方は、自分の目で見てきた方がよいと思います。私自身も、まだまだ被災地の現状を十分に理解したわけではないと思います。今後は、被災地の復興についてできることを考えつつ、考えるだけでなく、実際にまた被災地を訪れたいと考えています。

(文科一類・2年)

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私は、今回の学習支援ボランティアでは広田小学校を訪れました。その様子をご報告いたします。

私たちが着くと、既に中1と中3、合わせて5名の子が教室で出迎えてくれました。日曜日の9時にわざわざ学校に来て勉強しているということにも少々驚きましたが、さらにどの生徒もしっかり計画を立てて各々に机に向かっており、こちらも出来る限りのことをやらなければと引き締まる思いがしました。とはいえ、もくもくと自習を続ける子たちを前に、最初は何をしてあげればよいのか分からず、戸惑ってしまいました。しかし、学習指導員の方の勝手を見つつ、シャーペンが止まっている子はもちろん、そうでない子にも分からないことがないか一人一人声をかけながら、教えて回っていました。

そうしているうちに、最初は初対面で表情も固かった子たちも次第に打ち解け、積極的に質問してくれるようになりました。お昼休みには、好きな日本史のことを目を煌めかせながら語ってくれたり、家であったことを話してくれたりして、中にはわざわざ手作りのホットケーキを焼いてきてくれた子までいました。生徒達が仲良さそうにじゃれあう姿、どこも変わらない無邪気な笑顔が印象的でした。

生徒たちは帰る時間こそバラバラでしたが、皆、やり切った顔をして、元気よく挨拶をして帰って行きました。最後の子が帰ったのが、三時過ぎで、そのあとバスまでに時間があったので、学習指導員の方にお話をお聞きできたのですが、その内容ははっとさせられるものでした。

教室に来ている子の中には、家を失って仮設に住んでいる子、母親が亡くなった子もおり、また、近くの中学校が津波で浸水したため廃校となり、皆、三つの地域が統合した遠くの中学校まで通っているそうです。そのように見てみると、校庭には仮設住宅が並び、教室にはUNICEFのダンボールが積まれ、また小学校までの道のりには、かつて確かに人の営みがあったろうに、ただただ草地が広がっていたーー生徒たちが過ごしている日常にまだ大きく残る爪痕を感じ、何とも言えない思いがしました。

そんな過去をそれぞれに背負いつつも、真摯に前を向いて歩んでいる生徒、先生、地元の人を見るに、それを応援したい、何か力になれればという想いはいっそう募りました。

今回、ここ陸前高田で経験したことは東京にも持ち帰り、考え続けてゆきたいです。そして、機会があれば、もう一度、もう二度、三度と被災地を訪れたいと思います。

(文科一類・2年)

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