【活動体験記:相馬市「寺子屋」第1期B班(2015年5月30日~5月31日)】

2015年5月30日~31日に行われた、相馬市での教育支援ボランティアに参加してきた。今回の活動メンバーは6人、1・2年生が多いのかと思いきや、防災を研究している理系の院生の方が3人いらっしゃるという、自分にとっては意外な結果であった。

自分がこの活動に参加したのは、①2年前に石巻・女川を訪れたきり被災地の現状を見ていなかったため、何らかの形で再訪したいと思っていた。②教育業界でアルバイトをする機会があり、中高生の「学び」のあり方について考えていたところだった。③勉強ばかりで引きこもりと揶揄されるような状態だったので、何か新しい体験をしたかった。といった理由があげられるが、往復の交通費が東大から支給されるということも大きかった。


1日目は相馬市生涯学習会館、2日目はLVMH子どもアートメゾンでの活動だった。教育支援といっても大げさなものではなく、集まった中学生たちからの質問があれば、その部分を解説するというお仕事であった。1日目は30人以上が参加するにぎやかな会、2日目は対照的に参加者が6人で、東大生が一対一で指導する会となった。印象に残った生徒を2人紹介する。


①看護士志望の卓球ボーイ(1日目)
とにかくおしゃべりなこの子。質問をぶつけてくるかと思いきや、「好きなゲーム」「好きなアニメ」「卓球のラケットの性能」などについてたくさん語ってもらってしまった。ただし学力は参加学生の中でもかなり高いほうで、鋭い質問ももらった。自分の専門の知識を生かして「世界史」「国際政治」について噛み砕いて教えたところ、かなり興味を持ってくれて、自分の普段の勉強の意義を感じさえもした。「看護士になるために勉強を頑張らなければ」との言葉をぜひ実行してほしい。

②KPOP大好きガール(2日目)
1日目の卓球ボーイの同級生。卓球ボーイは学校でもマシンガントークで有名らしく、同級生たちは辟易してしまっているらしい。しかしこの女の子も卓球ボーイに負けず劣らずおしゃべりが大好き。筆箱に韓流アイドルの写真が貼ってあることをつっこむと、BIGBANGや何やらがどんなにかっこいいか、自分はどんなにお金をアイドルにつぎこんでいるかを延々と語ってくれた。一方で、歴史がつまらないという話があったので、世界史の大きな流れを説明してあげたところ、少しは興味を持ってくれたみたいで嬉しかった。


このような面白い子供たちへの学習支援活動を通じて、改めて学びの大切さを思い知ることとなった。第一に、福島の子供たちの学習意欲の高さに驚いた。自分は東京で生まれ育ったので、地方の子供たちに触れたことがなかった。そのため、相馬の中学生たちが東京の
中学生と同じく勉強したいと思っているという当たり前のことに気づかされた。しかしながら学校の授業は「退屈だ」という子が多く、子供たちの興味を喚起できるような教育が必要なこと、そしてそのために今回のような継続的なボランティア活動を行うことがどんなに大事なのかを思い知った。今回お世話になった相馬市の方が、「東大以外の学生ボランティアがめっきり減ってしまった」こと、「学習支援のボランティアの成果が確実に出始めている」ことを語ってくださったのが印象的だった。

第二に、自分の勉強を見直すいい機会になった。自分の大学生活、自分の勉強を子供たちにわかりやすく面白く伝えようと試みる中で、自分はどうして今勉強をしているのかを考えることになったのである。他の参加者たちもそれぞれの勉強の魅力を伝えるために工夫をしていて、それを聞くのは大きい刺激になった。知識を教え込むというよりは学問の楽しさを教えることに参加者みんなが力を入れていた。

子供たちにとっても参加者の学生にとっても、貴重な時間となったのではないかと思う。あっという間の2日間であった。福島、近かった!

(教養学部・3年)

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