【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第4期B班(2015年9月26日~9月27日)】

 このUTVCの学習ボランティアの活動があることを知ってから、ずっと東北に行きたいと思っていました。テレビや新聞では分からない被災地の生の姿を自分の目で見てみたかったからです。そしてこの前はじめて、被災地に行くことができました。
 まず陸前高田の、がれきはすべて撤去されたものの、かさ上げ用の土がうずたかく積まれている光景は何か日常と離れた異質なもののように思え、「陸前高田の復興はまだまだこれからなんだ」と強く感じました。まだ市役所の位置も決まっておらず、仮設住宅に住んでいる人も多いということでした。
 学習支援ボランティアでは、陸上自衛隊を目指している子や、英語と車が大好きで、将来海外で車を販売する仕事につきたいという子、そのほか3人の子に会うことができました。生徒は心のどこかで震災の傷跡が残っているはずで、自分はどのように生徒に接するべきか、悩んでいた部分もありました。しかし、私が尋ねると、あるいは自分からも、好きなことや夢について語ってくれました。後で、その自衛隊を目指している子は母親が津波で行方不明になったままであることを知り、そのような状況でも夢を実現しようと頑張っている芯の強さに心打たれました。そして、彼らに寄り添っていくことが一番大事なことなのではないかと思うようになれました。
 活動の合間に「みんなの家」というところに行かせていただきました。そこを運営している方から、実際に体育館で避難所生活を運営する際、大変だったことを聞き、リアルな避難所生活について知ることができました。支援する側も、また行政側も、避難所の需要に柔軟に対応することが大事なんだな、と学びました。また、避難所を出た人たちが再び集まれる場所としての「みんなの家」が、著名な建築となったためもあり、運営する方が取材に忙殺されてしまったり、実際に地域のひとが訪れる機能が十分担いきれていなかったり、問題も抱えていることを知りました。また、その運営する方は避難所生活からずっと他の人のために働き詰めであったこと、それに加えて取材への対応、有名になったことに対する周りの方からの心無い声、色々なことが重なって、疲れていらっしゃるように見えました。その人自身はまだ仮設住宅で暮らされているそうで、被災者の方の疲労もそろそろ限界に来ているのではないかと感じました。
 この学習ボランティアを行うことで、自分が知らなかった被災地の面について知ることができました。そして、知っただけではいけないと強く思いました。自分が被災地にできる一番のことは何かということは結論がまだ出ていないのですが、東北の商品を買う、被災地の動向に気をつける、節電を心がけるなど、普段の生活から実践できることを始めてみようと思いました。そして、また、被災地を訪れたいと感じました。

(文科三類・2年)

私は岩手県出身で、被災地に足を運んだことは何度もあります。しかし、被災した子どもたちと接したことはこれまでなく、彼らがどのような環境・心持ちで生活しているのか知りたいと思ったため、今回のボランティアに参加しました。
今回学びの部屋に来てくれた子どもは数人でしたが、とても明るくふるまう子もいれば、学校に行く気がおきないと相談してくれた子もいたし、地道に勉強している子もいました。震災から数年が経過する中で、たくさんのことが変化しています。被災者の中でも差異が生まれてきているという報道に接したことがありますが、それが子供たちに影響しているのかもしれないと感じました。
東大生が数時間子どもたちに教えたところで、すぐに勉強ができるようになるということはないから、そういった意味では学習支援ボランティアは役に立ちづらい活動かもしれません。しかし逆に、自分たちが子どもたちから学ばせてもらえるという点で大変意義のある活動だと思っています。小学生や中学生の時に被災し、震災後を生き抜いてきた子どもたちに接することで、不運に負けない力強さを学ぶことができましたし、自分が今いかに恵まれた環境で勉学に打ち込むことができているかを痛感させられました。
これからも機会を見て被災地を訪れていきたいし、自分で訪れるだけでは分からない視点を学ぶ場として、ボランティアやスタディツアーにも積極的に参加していきたいと思います。

(法学部・3年)

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