【活動体験記:相馬市「寺子屋」第3期B班(2015年9月5日~6日)】

 被災地ボランティアは何度か経験していたが、相馬には今回初めて入った。もちろん勉強を教えることが最優先ではあったが、避難する住民も多い中、敢えて相馬に残った子供たちが今、何を考えているのかが知りたかった。
 彼らはいたって普通の「中学生」だった。熱心に問題集を解き、たまに集中力が切れて時々友達にちょっかいを出すところも。途中で難読漢字クイズを出したら、問題集そっちのけで熱中するところも。変な先入観を抱いていた自分を恥じた。
 震災で変わったのは、彼らよりも私たちよそ者なのではという考えが浮かんだ。津波や原発事故など、彼らの背景をあれやこれやと想像して、求められてもいないのに同情する。もちろん彼らが全く悩まされていないことはない。ただ、彼らの本当の姿を見聞きすることなしに、被災地の復興について考えることはできないと感じた。

(公共政策大学院・修士1年)



 
 2日目は、「こどもアート・メゾン」という学習施設に行きました。ここは、ルイ・ヴィトンの協賛で建てられたそうで、普通の塾などとは全く異なり、非常にお洒落で開放感のあるつくりになっていました。学校が始まったばかりだということもあり、中学生は3人少なかったのは、残念でした。こんなに素晴らしい環境で勉強できるのに、利用者が少ないのは、もったいないように感じました。
 中学生の勉強について。私の関わった生徒の学校では、宿題の他に、「自学」と称して、ノートの何ページかを何らかの科目の勉強で埋めなければならない、という課題があるようでした。彼女は「勉強は全科目嫌い」と言い放ちつつも、きれいな字と色遣いでノートを埋めていて、やはり勉強熱心なのだなと感じました。また、彼女は自分の好きな某韓流アイドルグループについて、非常に熱く語ってくれました。
 そんな彼女も特に、英語が苦手なようらしく、穴埋め問題や和文英訳に苦戦していました。そこで、「英語ができれば○○(某グループ)と話せるよ!」などと、彼女らのモチベーションを上げる?言葉をかけ、さらに英語で手紙を書く問題では、某グループ宛ての手紙に使える表現を教えてみたら、彼女も少し笑顔を見せてくれました。それを見て私たちも手ごたえを感じていました。

 今回のボランティアに参加して中学生と関わる中で、一人一人が自分の好きなことを持っていていいな、と感じました。それに比べると、学校の勉強は人に強制されるからか、彼らにとって辛いものとしか映っていないのかもしれない、とも思いました。けれども、勉強と自分の好きなことを結びつけるとか、資料集を片っ端から読んで面白い部分を探すとか、そのつまらないものをつまらないなりに、工夫して取り組んでみるのは、将来必ず生きる経験だと思います。微力ながら私たちがその助けになれたとしたら、とても幸いです。

(文科一類・2年)

コメント

このブログの人気の投稿

2023年7月8月福島県相馬市「寺子屋」学習ボランティア募

2023年12月・2024年1月福島県相馬市「寺子屋」学習ボランティア募集!

2023年10月・11月福島県相馬市「寺子屋」学習ボランティア募集!