【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第4期C班(2014年11月15日~11月16日)】

「暇だし、ボランティアにでも行くか。」

私が今回のボランティアに行こうと思ったきっかけは、そういう情けないものでした。現在被災地の人たちがどのような暮らしをしているか、あまり実感のないまま現地に飛び込んだといった感じでした。

実際に行ってみると、現地の高校生たちは想像していたよりも元気でした。私が訪問した時期はちょうど高校の定期試験期間中ということもあり、朝9時の時点で生徒がもうすでに勉強していて、お昼時には最大で10人以上いました。友達がそれだけ集まるとやはり元気なもので、生徒たちは学校生活やスポーツの話題などを明るい口調で話してくれました。

しかし、復興の方はまだ道半ばであるという印象も受けました。活動場所である小学校の家庭科室の窓から外を眺めると、校庭には仮設住宅が未だに並んでいます。また、生徒たちも震災の記憶を完全に忘れたという訳ではなく、楽しい話題の中にも時折「東京の人って、地震が起こったらどこに逃げるのですか?」というような話もわずかながらありました。3年半が経っても、震災のことはそう簡単に忘れられるものではありません。

それでも、彼らは確実に前へ歩んでいます。「高校を卒業したら何になりたいの?」という疑問をぶつけてみると、獣医、化学者、銀行員、大工、ウェディングプランナーなどいろいろな答えが返ってきました。まだ高1、2年生の子も多かったですが、それでも各自の進路をきちんと考えており、それを真剣に語ってくれたのが印象的でした。みんなで集まれば、つらい状況の中でも各自の将来を見据えて頑張るだけの力を現地の高校生たちは持っていると思いました。

ですから、被災者が集まれるコミュニティーをしっかり維持していくのが復興に現在必要なことの一つだと感じます。「学びの部屋」で生徒たちの面倒を見る相談員さん、たまたまコーヒーを無料で被災者に配布していたスターバックスの従業員さん、活動に同行した東大生の皆さんなど、それぞれやっていることはバラバラですが、被災者のためのコミュニティーを作り、維持するという点では共通しているように思われました。そうした目標は1度や2度の活動で達成できるものではなく、これからも継続的に活動を続けていくことで到達できるものだと思います。

最後に、東大生の皆さんへ。「学びの部屋」を続けていくために、みなさんの協力が必要です。ボランティアと銘打ってありますが、この活動は現地の高校生たち、現地で復興に携わる人々とふれあえる貴重な機会だと思いますし、何よりも純粋に楽しいです。被災地のことをまだよく知らない人も、とりあえずでもいいので足を運んでみてください。

(理科二類・2年)

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