【活動体験記:陸前高田市「学びの部屋」第5期(2014年12月24日~12月26日)】

師走を迎え、本格的な冬将軍が既に到来していたせいか、僕が降り立った遠野駅には雪がしんしんと降り積もっていた。ミーティングと準備を終えて、向かうは陸前高田市立第1中学校。初めての東北であり、初めての被災地への訪問であった僕は複雑な気持ちを抱えつつも、どんなに小さなことでも自分ができることからしていこう、と強く思っていた。1時間ほどバスに揺られ現地に到着し、学習支援活動を開始した。初日には、中学3年生の3人が来てくれた。最初はややお互い遠慮がちな姿勢をみせていたものの、段々と打ち解けるに従って、勉強以外の話も弾む。学校のことや修学旅行の話はもちろん、将来の夢のこと、そして「震災」のこともたくさん話してくれた。3日間の支援活動で「学びの部屋」という空間を作るために、もちろん勉強を教えることもしたが、それよりも自分は「夢を持つこと」の意味を伝えることに精を出した。現地の子供たちに勉強を教えると同時に、子供たちからも「学ばされる」ことが多々あった。

「被災地」は「可哀想」なところ、我々はこのような印象を持ってはいないだろうか。もちろん陸前高田市をはじめ、岩手県・宮城県の太平洋岸は人的・物的に壊滅的な被害を負った。しかし、たとえそうした極めて厳しい現実に直面しても、そこにも我々の生活とはなんら変わらない「生活」があることを忘れてはならないだろう。子供たちは元気に学校に通い、大人たちは仕事に行き・・・当たり前のことである。被災地は支援されなければいけないもの、という支援者側の目線は傲慢ではないだろうか。我々と同じ普通の生活を取り戻すべく懸命に努力されている現地の方々に目を向け、被災地に対する個々人の見方を日本国民全員が持ってくれることを心から期待する。

子供たちに日々「学びの部屋」を提供なさっている一般社団法人こどものエンパワーメントいわて様、及び東京大学でこのようなボランティア企画の立案・運営をなさっているUTVC様に改めて御礼申し上げます。

(文科二類・1年)



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